パパ日記

テースティング会・中米 2012.8.11~12

中米の優れたコーヒーの基本の香味はグァテマラ・アンティグア地方のもの

アンティグアは生豆の品質が優れ、毎年品質のぶれが少なく、世界でも稀有な産地だと思います。出会いは99-00クロップの「カルモナ農園」でした。
この時代は農園のコーヒーの流通はほぼ皆無でしたが、この農園の豆は例外的に買うことができました。古木のティピカをベースとした香味は、その香味で他の中米の豆を圧倒していました。
豆質も固く、生豆の鮮度が維持できることも驚異的でした。
商社マンとしてもこの豆を輸入し、日本国内で販売するのには価格が高すぎ困難であることは理解していたと推測します。案の定、生豆問屋には在庫が残りました。
しかし、この時期に頑張っていた商社マンがいたわけです。
それを認めるというか理解できる
ロースターやビーンズショップがなかったということでしょう。

ここからアンティグアの探索の旅がスタートしました。
コーヒーにこだわる別の商社マンからアンティグアの農園単位の豆のサンプルを毎年もらいカップしました。少しずつ単一農園の生豆の購入を目指した時期です。世界中のマーケットがこのような単一農園の生豆をまだ求める前の時代です。

 
スターバックスは当時この地のコーヒーを多く購入していました。
店舗数が多くなり、また価格も高騰し、今ではあまり買っていないようですが、2005年くらいまではスタバの独壇場でした。
産地に行くと、多くの農園の豆がスタバに買われていたことが理解できました。以前のスターバックスのメニューボードには「グァテマラ・アンティグア」と表示されていましたね。

アンティグアには、コーヒー栽培の歴史が古く、品質管理に対するきちんとした価値観を持った生産者が多いこと、優れたテロワールがあると思います。

明るい柑橘系の酸としっかりしたコクが突出しているのがアンティグア産のコーヒーです。そのため、アンティグアの香味は、中米の基本の香味となり中米の香味を判断することができます。この豆に匹敵する産地はグァテマラにも少なく、コスタリカやパナマなどの特別の優良産地に限られます。

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グァテマラ・アンティグア        コスタリカ

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エルサルバドル            パナマ

テースティング会は、それぞれの産地のコーヒーにどのような特性があり、他と何が違うのか?を判断するトレーニングが目的となります。

サンプルの香味の比較のためにSCAA基準でスコアをつけていますが、スコアをつけることが目的ではありません。スコアが独り歩きすることは意味がないと考えています。
同じ豆でも、生豆の状態は常に変化しています。このことをきちんと理解していなければスコアを論じることはできません。

1.  <!–[endif]–>プレシップサンプル(船積み前のサンプルで空輸されたもの)

2.  日本入港後すぐのもの(輸送方法=ドライかリーファーコンテナか、パッキング=麻袋か真空かなどにも影響される)

<!–[if !supportLists]–>3.  <!–[endif]–>日本入港後6か月経過したもの(保存方法=常温か冷蔵かなどにも影響される)

上記の同じ豆を、条件が異なる状態でカッピングをすれば、スコアは異なります。
コンテストの豆であっても、現地で行ったものと日本入着のスコアは、時差、輸送状態により、変動するものとご理解ください。

 

数字は初日と2日目のもので若干スコアが異なっています。
アンティグア、タラス(コスタリカ)、ボケテ(パナマ)などの優良農園の豆です。中米のコーヒーは、酸の質、コクの質、その両方のバランスで産地の香味特性や香味の優劣をある程度は判断できます。

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<!–[endif]–>

01.グァテマラ・アンティグア・カツーラ

酸とバランスが良いアンティグアコーヒー 

さめるとややクリーンさが落ちる 82.50 82.75

02.グァテマラ・アンティグア・ブルボン

華やかな酸と明確なコクでアンティグアの見本 

中米でこのグレードコーヒーはかなり少なくなる  85.00 85.00

03.グァテマラ・アンティグア・ブルボン

明るく明確な酸と十分なコクが複雑 

毎年品質が安定していることに驚かされる 85.50 85.75

04.グァテマラ・アンティグア・ブルボン

アンティグアしっかりした酸とコクが他のグァテマラとの違い 

標高が高い産地でコクが複雑 86.50 86.00

05.グァテマラ・グァテマラシティ北部・ブルボン

プラムなど熟した果実の酸とコク

例外的な香味で評価をどうするかは微妙だが優れたコーヒー 86.50 86.00

06.コスタリカ・カツーラ

明るい酸とコクでスペシャルティ標準以上の優れたコスタリカ 83.75 84.75

07.コスタリカ・カツーラ

明るい酸とコクのバランスがよく、よいコスタリカ  82.50 81.75

08.パナマ・カツーラ

しっかりしたコク、複雑な香味で優れたパナマ 85.25 85.25

09.パナマ・カツーラ