パパ日記

アイスコーヒーの真実-2

1.日本の伝統的喫茶店以外のコーヒーショップ(バール)の基本原型はイタリアのバールにあります。100年前に完成したエスプレッソマシンでの抽出が基本となります。
しかしヨーロッパの場合酒も提供されカフェ文化を構成しています。
その基本形はフランス、スペインでも踏襲されテ来ました。
これらの店の特徴として、コーヒーはエスプレッソマシン1台(大きめの店では2台)で1日500~1000人以上の顧客に対応し完結してしまうということです。
エスプレッソ=特級=早い抽出ですのでそれが可能となります。
コーヒーはエスプレッソでありレギュラーコーヒーはありません。
またアイスコーヒーもメニューにはないのが一般的です。

 

 

2.イタリアのバールはアメリカのシアトルを中心とした新しいエスプレッソコーヒショップに発展します。(ただし米国は飲酒に厳しく酒はなくなります。)
その中で従来の食を伴い、コーヒーメーカーで入れたコーヒーを大量に飲用するアメリカ伝統的なコーヒーショップが淘汰されていきます。
新しいバールは、エスプレッソにミルクを入れる飲み物であるカフェラテが流行りますが、従来のレギュラーコーヒーの需要もありましたのでドリップコーヒーマシンをおきレギュラーコーヒーも提供します。
エスプレッソマシン+コーヒーメーカーという設備となります。
最近はシングルサーブという概念で一杯づつペーパードリップで抽出する店も増加傾向にはありますが、アイスコーヒーはありませんでした。
しかし、スターバックスや北欧のコーヒーショップ等は、アイスラテ等をベースに冷たい目飲み物を徐々に増やしていきました。

 

 

3.これらのイタリア式、シアトル式バールは日本のコーヒーチェーン店にも影響を与えます。
しかし、日本には昔からアイスコーヒーがありコーヒーショップの設備は、エスプレッソマシン+レギュラーコーヒーマシン+アイスコーヒーマシンとなります。
日本ではもともと冷たいコーヒーの需要が多くありました。

 

 

4.アジア圏では、べトナムは暑いので伝統的に冷たいコーヒーも飲んでいます。
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ベトナムのアイスコーヒー

 

 

 

では、日本の伝統的喫茶店でアイスコーヒーはどのように作られていたのでしょうか?

喫茶全盛期は、深煎りのアイスコーヒー用の豆半ポンドもしくは1ポンド(≒450g)のやぐらにネルを使い2リットルから5リットルくらい抽出し冷蔵庫で冷やし、翌日もしくは翌々日くらいまでは使用していました。

 

 

コーヒーにはアイス専用豆があり、当時の多くのロースターは品質的にはやや落ちるもの等を使用する傾向にありました。
深く焙煎すればみな同じような味になるのでというような感覚があったのだと思います。
また必ず濃縮感が出るためにロブスタ種はアイスコーヒーブレンドに入れていました。

 

 

本来アイスコーヒー専用豆という概念は、おかしく、私は開業時からアラビカ種のみのフレンチローストでアイスコーヒーを作りました。
しかし、当時としては「なんで?おかしい?…..」等奇異なものとしてコーヒー業界に受け止められたことを覚えています。

 

 

本来の日本のアイスコーヒーの基本形は、濃く抽出したコーヒーを氷の入ったグラスに注ぐ急冷式だとは思います。
このような方法は日本の喫茶、コーヒー専門店で一部行われていましたが、店の繁忙とともに次第に効率的に大量に作り、冷蔵庫に保管しておくことが一般的となったと伝え聞いています。

 

 

私が開業する1990年には、アイスコーヒーを一杯づつ抽出し、氷で急冷する店はほとんどなくなっていました。

続く