パパ日記

アラビアとモカ-3

終戦後昭和30年前後頃からのコーヒーのとらえ方は、
「マンデリンを洗練された苦みを特長とする代表品とすれば、イエメンのマタリ(バニマタリ)は豊かに和らげられた酸を特徴とする代表品と云える」。
当時アラビア(イエメン)と呼ばれたコーヒーは、「マタリ以外に、ヤフィ、アニシ、シャーキ、サナニがあり、サナニを除く4種の極上の選別品をモカ・エクストラ、4種の不完全品のないものをモカ・No1とよび、それ以下をNo2,No3と称していた。」(「珈琲の研究」井上誠)「珈琲の研究」井上誠/S34出版)

昔のコーヒー業界では、この二つをコーヒーの王様と女王と例える事例もありました。

 

 

 

「数世紀にわたり世界の最高のコーヒーと言われます。また貴婦人のようなモカ独特の風味とこくがあり、丸味と上品な酸味は、ほかのどのコーヒーと配合してもよく、又ストレートでのむのもおいしいものです」(「コーヒー専科」高島君子/S43出版)

 

 

 

この時代のイエメンがどの程度のものであったかは、当方には全くわかりません。
その品質をきちんとただしく判断できた人はすでにいないかもしれません。
本当に良いものであったのか確認はとれませんが、今堀口珈琲で販売しているものはそれらに近いと思います。

 

 

したがって、これらの香味を再現し、その伝統を守ることも大きな仕事の一つだと考えるのです。

 

 

 

モカ港(MOCHA)はすでになく、現在はホデイダ(HODEIDA)に代わりましたが、内戦で破壊されているようです。
しかし、東インド会社などから輸出されていたころはモカ港が使用されていましたので、現在でもイエメン、エチオピアのコーヒーはモカとも呼ばれています。
現在は、このモカという言葉を使用する必要性はありませんが、昔の名残で使用する場合は、イエメンモカ、エチオピアモカと称するのが良いと思います。