パパ日記

春-4桜と寿司-2

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乃木坂のミッドタウンの桜です。

 

 

さて寿司の続きに戻りますが、現在は、千歳船橋の「寿司清」で適当に旬のものを握ってもらいます。
築地に通い手抜きをしない職人さんなので、安くてほどほどの寿司を食べることができます。
通常昼は、にぎりが一人前700円という驚異的安さですが、其れではその店の実力は見えませんのでおまかせ(2000円)にすればよいでしょう。それでもかなり安いです。
春は生のとり貝など貝類、しんこに続き、夏はアジ、キス、アワビなどでしょうか。
秋に入るとさんま、サバ、冬はぶりと変化します。
日本人は自然環境の変化や、魚や野菜で四季を感じますので感性豊かだと思います。

 

東京生まれですので、魚には疎くおいしい魚の味は二十歳を過ぎてからから体験しました。
地方旅行や出張で覚え、今では寿司屋で味わいます。
海辺の地方都市で育った人の方が基本的な味覚ができているのではないか?というのが私の持論で、
そのため優れた料理人に東京出身者は少ないのではないかと思ったりもします。
東京育ちが基本的味覚を開発するには、高級品を食べる以外ないのでお金がかかります。
食は3代と言われる所以でしょう。

 

 

 

さてさて、又話を昭和の寿司屋に戻しますと昔はこんな感じでした。

1.昔はエビのすり身をつかった玉子焼きでしたが、作るのに時間もかかるので今はダシ巻き玉子の店が多くなっていますし、さらには玉子焼きを自店で作らない店も多くあります。
2.昔は子供には「のりたま」と言って玉子とかんぴょう巻しか食べさせなかったものですが、今の親は何でも食べさています。寿司は大人の食べ物で子供の食べ物ではありませんでした。
3.昔は、煮いか,煮たこなどもありましたが、仕込みの面倒さと高い料金がとりにくいためなくなっていますのでなくなりました。

4.鯛やキスの昆布締めなど酢でしめたネタも少なくなりました。
5.煮アワビや煮ハマグリも高級品となってしまいました。
6.サーモンは寿司ネタではありませんでしたが、最近の回転すしでは人気商品のようです。

7.あぶるなどというのもなかったですね。

8.ちらしのそぼろ(桜でんぶ)も自家製が少なくなっています。
鯛やたらを湯せんし、ほぐして味付けしているだけですので難しくはないと思うのですが仕込が面倒なのでしょう。

9.巻物はすまきで、手巻き寿司などはあり得ませんでした。
すまきでもかんぴょう、おしんこ,かっぱくらいで納豆など扱うこと自体問題でしょう。
すまきの場合、かんぴょうは1/4カット、1/6カットとか店により切り方はさまざまですが、昔は切らないでそのままとか、半分にカットとか注文しました。

10.金波では、「ガリハダ」と言って、小肌とガリをすまきにしたものをよく食べました。
「アナキュウ」といってアナゴときゅうりの巻物も飲んだ後にはサッパリしてなかなかいいです。

11.いなりは昔からある店もありました。

ざっと思いつくままに上げてもこのくらいの違いがあります。

 

小肌は、シンコ、コハダ、コノシロなどと名前が変わる出世魚ですが、最近の寿司ブームで、シンコの走りは卸値が高騰し、逆にコノシロなどは下落したりとめちゃくちゃな需給バランスの価格になっています。
しんこをさばくには、技術と根気がいりますので、魚が好きでなければできないような手仕事です。

 

 

新いか(スミイカの子供で小さい)も走りは異常な高値になり、すしネタブームもここに極まりといった印象です。
卸値が高くなったからといっても、ネタとしての品格からしんこや新いかを高い値段で売ることはできませんし、江戸前にこだわればなくすわけにはいきませんので店も割り切るしかなく大変です。
海外での寿司ブームもあり、数か月の寿司学校で就職する事例も出ているようです。
ホリエモンがいうように、昔のような極端に長い修業は必要ないでしょうが、3か月で小肌の良し悪しやさばき方を習得はできません。

 

 

最終的には自分がどのレベルで仕事をするかにかかるでしょう。
また、最近のチェーン店は、若いイケメンをカウンターに揃え、ご年配の方は裏で魚をさばくなどというところもあるようで、これではいつまでたっても職人としての技術は実につかないでしょう。
自家焙煎店も同じようなもので、品質や技術レベルの目標をどの程度にするかで、開業前の準備のあり方、その後の研鑽の仕方は変わります。

 

 

 

さて、すしの食べ方は?少し気になるところです。
基本的には好きに食べればよいのですが、私の場合は基本パターンがあります。

まず小肌、サバ、アナゴの順、ここでちゃんと食べるか適当にやめるか判断します。
ネタも一通り見ます。
次に旬の貝があれば貝、白身の昆布締め、マグロの赤身(もしくはカツオ)、そして玉子と続き、あればハマグリもしくはアワビなど甘たれのうちどちらかひとつ。最後にかんぴょう巻となります。
昭和の昔は、運動会などのときは家庭でいなりとかんぴょう巻を作ったものです。
家庭で「あげやかんぴょう」を煮るのが普通でしたので、それよりダメなかんぴょうが寿司屋で出てくるとNGとなります。

あ….忘れていました。やや高くなりますが蒸したクルマエビがあれば最高ですね。

 

 

 

これで江戸前の「わざとねた」のチェックでき、その実力がわかります。
職業病のようなものです。

 

そばに続く

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