パパ日記

衝撃的なワイン-1

先週末のワインセミナーで「terre nere」との衝撃の出会いがありました。
第1回目の衝撃は25年前に新鮮なワインに遭遇したこと。
リーファーでの温度管理、国内での輸送や保管に配慮した結果のクリーンなワインでした。それまで流通していたワインがすべて何らかのダメージを抱えているかのように感じた衝撃は、コーヒーのクリーンさの感覚の源泉となっています。

 

 

第2回目の衝撃は、最良のブルゴーニュの熟成の香味を味わった時でした。
例えばDRCなどの熟成ワインがグルタミン酸のような味であることが分かった時で、この香味はテロワール以外には生まれないだろうと感じた衝撃です。
ボルドーのワインはどこでも作れますが、ブルゴーニュのピノノワールの熟成感は他の産地では生まれないであろうという思いが個人的なテロワール主義を形成しています。

そして第3の衝撃といっていいかどうか?今少し検証してみますが、シチリアのエトナに先日遭遇したことです。

このワインは、イタリアの新しい作り手がネッビオーロで作るバローロより軽やかで、フランスのピノノワールのブルゴーニュに近い繊細さをもっています。
ワインそのものは、アルザスのピノノワールに近い印象で、ブルゴーニュのように熟成は難しいとは感じますが、そもそもイタリアで、さらには温暖なシチリアでこのようなワインが生まれること自体が信じられない訳です。

 

 

このエトナの農園は、エトナ火山の600~900mの北方斜面に位置し、昼夜の寒暖差のある冷涼な気温にあり、フィロセキラ(葡萄根油虫)に侵されていない150年の樹齢の木からとれたワインであるようです。「terre nere」は黒い土壌という意味でハワイ島を思い起こさせます。また樹齢の長い樹は、LCFマンデリンやハワイの古木を思い起こさせます。

 

ヨーロッパのワインは、ヴィティス・ヴィニフェラ種でフィロセキラには耐性がありません。

 

 

続く
コーヒーのさび病とワインのフィロセキラ