パパ日記

ワインセラー顛末-3

この生産者のワインが20年もつかどうか?疑わしかったのですが、20年近く寝かせた結果素晴らしい香味を体験できました。
アンモニアのダメージはありませんでした。
1996のシャンポールミュジニーのプルミエ。
一度この香味を味わってしまうと、それは魔法にかけられたかのように取りつかれてしまいます。

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この最高峰にロマネコンティがあります。
まだ飲んだことはありませんが、DRC(ロマネコンティを生産しているボーヌロマネ村の生産者)のワイン体験からその香味はなんとなく予測はできる地点にはたどり着いたと思います。
 

 

ピノノワールのワインはカルフォルニア、オーストラリア、ニュージーランドなどでも見られ、それなりにすばらしいワインも多くあります。しかし、それらのワインでは、この20年寝かし熟成した香味を体験することはできません。
ここに、第3世界とブルゴーニュの香味の差異があります。
第3世界はピノの生産の歴史が浅いこともあるでしょうが、ブルゴーニュには特有のテロワールという概念があります。
はるか昔のジュラ紀からの土壌などが生み出す不思議な香味
500年以上前に修道僧が土をなめながらここの方がよいと判断してきた土地が生み出す香味
こそ多くのワイン愛好家を生み出す訳です。
ボルドーの1級のシャトーのワイン以上の魅惑が秘められています。

 

 

 

しかし、この熟成した香味を体験することは簡単ではなく、土壌以外に生産者の力も加味されなくてはなりません。コーヒーも同じだといえます。
したがって同じブルゴーニュの村でも生産者により価格は異なります。
コーヒーも同じだといえます。

 

 

 

そもそも20年の時をかけ、ゆっくりと酸化していく過程で、酒石酸などからアミノ酸に生まれ変わるのでしょうか?ほとんどグルタミン酸やアラニンやグリシンなどのアミノ酸の味と推測します。
個人的には「味の素の味がする」と表現します。
ここが評価の基準で、フランス人はおそらく熟成した肉のアミノ酸やイノシン酸の味で理解するのだと思います。力のないブルゴーニュワインは数年で、10年もたず酸味が劣化します。

 

 

 

このワインは、滑らかで甘く、どんどん抵抗感なく飲めてしまい危険です。
シュバリエの太田さん(20年前から数年間セミナーに通っていました)の買い付けワインです。
敬意を払います。
まだ何本か1996年前後のブルゴーニュが7~8本は残っていますので試してみます。
このセミナーは、一般的なアカデミックなソムリエ向けセミナーではなく、香味を実際に味わう方法のセミナーで極めて特殊でした。かつてどこかで書いた記憶があります。

 

 

KING JIMの「toffy」のメディア発表会から帰りました。
明日は朝早くから外出しますのでこの話は後日に。