暑い夏。キリッと冷えて香り高いアイスコーヒーが恋しくなりますよね。
ほどよい苦みは気分をシャキッと爽やかな気持ちにさせてくれます。
「ホットコーヒーは自分でいれるけど、アイスコーヒーはチャレンジしたことない」「自分で作ってみたものの、いつも薄くなってしまう」そんな方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ご自宅で作る急冷式アイスコーヒーの作り方をご紹介します。
香り高く透き通った味わいのアイスコーヒーは一度体験すると忘れられません……!
ホットに加えアイスのいれ方も習得すれば楽しさ2倍!(2倍どころではないかもしれません)
ちょっとしたコツをおさえて、ご自宅でもおいしいアイスコーヒーを楽しみましょう。
INDEX
[動画でみる]コーヒーのいれ方 -急冷式アイスコーヒー編
※ いれ方の実践は2:30から始まります
急冷式アイスコーヒーとは
特徴:香り高くクリアな飲み心地
いれたての熱いコーヒーを一気に冷やして仕上げるアイスコーヒーを急冷式アイスコーヒーといいます。お湯による抽出ならではの香りとコクをアイスならではの清涼感とともに楽しめる、風味豊かな一杯に仕上がります。にごりのない透明感が感じられる飲み心地も特徴です。
コーヒー自体の個性が存分に感じられるため、普段はホットで飲んでいるコーヒーをアイスで試してみると「こんな表情もあったのか!」と、新たな発見も。
急冷以外の抽出方法に“水出し”があります。水出しとは、コーヒーの粉を常温の水や冷たい水に数時間つけておくだけでできる簡単ないれ方で、急冷式ほどの香りやコクはなく、まろやかな味わいが特徴です。本格的なアイスコーヒーを楽しみたいときは“急冷”、時間はかかってもよいので手間はかけたくないときや、あっさりした味わいを楽しみたいときは“水出し”と、シーンによって使い分けられるとよいですね。
ポイント:ホットとの違いは“抽出量”
急冷式アイスコーヒーのコツは“濃い”コーヒーをいれること。
ホットコーヒーをいれる時と同じ豆の量を使い、同じ抽出時間をかけて、3分の2の量を抽出します。
“急冷”アイスコーヒーはいれたての熱いコーヒーを氷に注いで作ります。注いだ際に氷が溶け、濃度が下がるため、あらかじめ濃いコーヒーを用意しておきます。
[レシピ] 豆の量・抽出量・抽出時間
それでは、実際にレシピを見ていきましょう。
ホットで楽しむときと同じように、どういう風に楽しみたいかで使用するコーヒーを変えると楽しみの幅が広がります。今回はアイスコーヒーにおすすめする2種類の焙煎度をご紹介します。
『ビターで濃厚』フレンチロースト
深煎りのコーヒーを使用することで、心地よい苦味と飲みごたえの感じられるアイスコーヒーに仕上がります。
『華やかすっきり』シティロースト
中深煎りのコーヒーを使用することで、華やかですっきりとした味わいのアイスコーヒーに仕上がります。
[準備] 道具と材料
【ペーパードリップの基本道具】
・サーバー
抽出されたコーヒー液を受け止めるための容器。
(ご自宅にない場合は計量カップなど抽出量が分かるもので代用OK)
・ドリッパー
コーヒーの粉を入れたペーパーフィルターをセットして固定する器具。
・ペーパーフィルター
ドリッパーにセットして使う濾紙。
・ドリップポット
コーヒーの粉にお湯を注ぐ道具。さまざまな形状・素材がありますが、お湯を細く、静かに注ぐことができるものがおすすめです。
・コーヒーミル
豆で購入した方はミルで粉に挽きます。自動ミルまたは手動ミルをご用意ください。
【アイスコーヒー専用の道具と材料】
・グラス
お気に入りのグラスをご用意ください。味わいによって変化をつけるのも楽しいですね。
・氷
しっかりと冷やすため、グラス山盛りにご用意ください。
【推奨!“はかる”道具】
おいしいコーヒーに一歩近づくため、「コーヒー豆の量(粉の量)」「抽出液の量」はしっかり“はかる”ことをおすすめします。さらに、いれ方の指針となる「抽出時間」もはかるとさらにGoodです。
・キッチンスケール
抽出に使う豆や粉の重量と仕上がりの抽出量をはかります。使う豆の重量や仕上がりの抽出量が毎回異なると、味わいにも影響しばらつきが生じます。
・ストップウォッチ
抽出時間をはかります。最初に注いだお湯が粉に触れたときから、いれ終わりまでの時間を毎回はかっておくとよいでしょう。「今日は2分でいれた。もう少し軽やかに楽しみたいから、もう少し短時間でいれてみよう」など、味わいを調整する指針となります。スマートフォンやキッチンタイマーなど、身近なものの機能を使うと便利です。
[いれる] 急冷式アイスコーヒーのいれ方
<今回のレシピ>
・フレンチローストを1人分(仕上がり量130cc)
・使用する豆の量:25g
・抽出時間:2分15秒〜2分45秒
【準備1】 道具を揃え、お湯を沸かす
【準備 2】 ペーパーフィルターと粉の準備
豆で購入した方は粉に挽いておきましょう。いれる直前にひくことをおすすめします。
ペーパーフィルターは耳を一度折り、円錐型に広げてドリッパーへピッタリはめ込むようにセットします。コーヒーの粉をいれ、全体へ均一にお湯を注ぐため、ドリッパーをトントンと軽く振り、粉の表面を平らにしておきましょう。
【準備 3】 お湯をセット
やかんや電気ケトルでしっかりと沸騰させたお湯をすぐにドリップポットに移せば準備完了。
この状態でおおよそ93〜95度くらいです。
※今回は1人分をいれるため円錐型ドリッパーの「1〜2人用」を使用しています。3人分以上いれる際、ドリッパー・フィルターはサイズの合うものをご利用ください。
はじめはじっくり焦らず
基本的な抽出方法はホットと同じですが、少しじっくりといれることを心がけていきましょう。
粉になるべく近い位置から、粉の中心に少量のお湯を注ぎます。最初は乾いた粉にお湯を染み込ませるイメージで、静かにじっくりといきましょう。この時点では、まだサーバーの中に抽出液は落ちてきません。
次は、少し外側に。中心だけでなく全体に、優しくお湯を置くように注いでいきます。2〜3度注ぐと、下のサーバーにコーヒーの抽出液がポタポタと落ちてきます。
よい感じです。
徐々にペースアップ
全体にお湯が行き渡ったら、注ぐ量を少しずつ増やします。ホットでいれる時より慎重に、少量ずつ注ぎましょう。
ポタポタと落ちていた抽出液が一本の線状に落ち始めました。
粉が膨らんでくるので、休み休み注ぎます。
いれ終わりへ
膨らんだ粉の層にお湯を通すイメージで、丁寧に全体を使います。
ドーナツ状の粉の層は崩さない方がよいですが、崩れてしまっても気にせずいきましょう。
目標の抽出量に達したら、ドリッパーを外します。
急速に冷やします!
ここが今回のポイント。
山盛りの氷をいれたグラスに、いれたての熱いコーヒーをすぐに注ぎます。
注ぎ終えたら、スプーンやマドラーでしっかりと混ぜます。
液体全体を均等に冷やして行きましょう。
しっかりと冷えたら氷を1〜2個追加してあげるとより一層冷たく、見た目も美しく仕上がります。
香り高いアイスコーヒーの完成です!
おいしく仕上がりましたか?
より“のうこう”に仕上げたいときはじっくりとお湯を注いでみる、抽出時間をやや長くする。
より“かろやか”に仕上げたいときはお湯を注ぐスピードを上げる、抽出時間をやや短くする。
など、お好みにあわせて調整してみてください。
※基本的な流れは他の焙煎度も同じです。
Q&A
Q.アイスコーヒーにおすすめのコーヒーはなんですか?
もちろん、フレンチロースト以外も活躍してくれます。特にハイローストやシティーローストはおすすめです。アイスコーヒー=苦いというイメージを覆すような、華やかですっきりとした味わいが感じられます。果実味や華やかな香りに特徴があるコーヒーを用いると、風味がより一層際立ちます。
Q.二人分のレシピ、いれ方を教えてください。
Q.しっかり冷やそうとして氷を足すと水っぽくなってしまいます。何かコツがあれば教えてください。
まとめ
最後に、急冷式アイスコーヒーのポイントを復習しておきましょう。
・急冷式アイスコーヒーとは、いれたての熱いコーヒーを氷で急速に冷やして作る方法。
・お湯による抽出ならではの香りとコクをアイスならではの清涼感とともに楽しめる、風味豊かな一杯に仕上がる。
・抽出のコツは“濃い”コーヒーをいれること。ホットコーヒーをいれる時と同じ豆の量を使い、同じ抽出時間をかけて、3分の2の量を抽出。
・抽出を終えたら、山盛りの氷をいれたグラスにすぐに注ぎしっかりと混ぜる。
おいしいアイスコーヒーが自宅で作れたら、夏の楽しみも広がります。
ぜひ色々なコーヒーでお楽しみください。