パパ日記

ピノノワール種

ブルゴーニュ産の赤ワインの品種はピノノワール種ですが、アメリカ、ニュージーランドなどでも植えられています。

しかし、ブルゴーニュ(赤ワインが多いコート・ド・ニュイと白ワインが多いコート・ド・ボ-ヌに区分されます)のテロワール(主には土壌、気温、日照条件など)が突出していました。もちろん作り手の手腕も重要です。

繊細かつ上品でボディのある風味は熟成によりさらに複雑となる稀有なワインです。反面、他国の産地のピノノワール種は、味が濃く、甘味が残る傾向があります。


ブルゴーニュの格付けは、産地名(ブルゴーニュ)、村名、一級畑、特級畑に区分されます。これまで、シャンポール・ミュジーニー村のロベール・グロフィエ(生産者)の、産地名、一級畑、特級畑のワインを20年近く購入し、飲んできました。
しかし、5~6年前程から需要が供給よりはるかに多くなり、ブルゴーニュ産は価格が暴騰し、最近は味見で数本買う程度になりました。

今では幻のBonnes-Mares

また、ここ数年の気候変動?特に温暖化?の影響でしょうか?デリケートで品のあるワインであるブルゴーニュの風味にばらつきが目立つようになり、ここ5~6年は、風味が価格に見合わなくなりつつあると感じています。


こんな時は、ルロワ(ブルゴーニュの風味の基準値を測れるような生産者)でも飲んでみようと考え、先日輸入元の髙島屋に買いに行きました。(小池さんの自粛要請の前)
しかし、通常のブルゴーニュルージュ(SCAのコーヒー評価で80点くらいとでもいえばわかりやすいでしょうか?)が10.000円もし(10年前の2倍以上)、ビンテージものは平気で30から50万円もするのでさらにビックリしてしまいました。
ワインバブルですね。

そんな折、昔から付き合いのある某輸入商社のカタログが送られてきましたが、コート・ド・ニュイ地域の各村のワインはリストからほとんどなくなっていました。 なかなか、フランスのピノノワール種で、適正価格でおいしいものを探すのは難しくなってきています。

ポートランドのスーパーの棚

タイミングは重なるもので、ポートランド(米国屈指のピノノワール種の産地で、スーパーには、ピノノワール種だけで50~100種くらいのワインが売られています)のワインの輸入元からも購入依頼が来ましたので、5000円以下のものを6本購入しました。この地のピノノワールはなかなかよいのですが、多くはアフターにやや甘味が残ります。
今少し透明度の高い味わいで、華やかで繊細な酸味だと申し分ないのですが。


で、今日はニュージーランドの「DELTA/Hatter Hill」を飲んでいます。
価格はブルゴーニュの半額と安く、ピノとしては大当たりです。
ここにたどり着くまで多くのニュージーのピノを飲んできましたので、ピノ入門としてお勧めできるワインだと思います。

wine的なテースティングからいえば、ガーネット色、すみれにラズべリーの香り、やや濃縮した味わいの中に華やかな果実感が残り、繊細でふくよか。スクリューキャップの3500円前後のワインとしては上出来です。

このワインを客観的に優れたワインと評価できるようになるには10年以上はかかるでしょうね。
コーヒーにもおなじことがいえ、いいということが分かっても、どのくらいいいか?が理解できるには最低10年はかかるでしょう。