パパ日記

味覚センサー 6 Panama Geisha Carbonic maceration

1月のセミナーをアップしました。
セミナーサイト  https://reserva.be/coffeeseminar


味覚センサーは強度しか測定できず、風味の質までは判断できません。そのため並行してテースティング(官能評価)も必要です。
このテースティング結果と味覚センサーの結果に相関性があればある程度利用価値があります。そのためのデータの蓄積を行っています。

今回の試料は、パナマのアナエロビック(嫌気性発酵)の製法の一つです。

Carbonic maceration(カルボニックマセレーション)は、 ステンレスなどのタンクにチェリーを入れ、二酸化炭素を注入し酸素を抜き発酵させます。
無酸素の中では、好気性発酵(酸素のある中での発酵)とは異なる酵母の影響を受け、微妙な風味を生み出します。

ワインつくりからヒントを得た製法ですが、ワインのように量産は難しいため、市場での流通量は極端に少ない状態です。

Wine barrelはワイン樽に、Rum barrelはラム樽にコーヒーを入れたものですが、詳しい製法は不明です。昨年ウイスキー樽に入れたものをテースティングしましたがひどいものでした。今回の豆は共に上品に仕上がっていました。

しかし、適切な乾式(ナチュラル)の精製であればよいコーヒーができますので、このように人為的に味をつけようとする考え方には疑問を持ちます。

これらの豆のコンテスト評価はそれぞれ高かったため、概ね味覚センサーのグラフと相関します。しかし、試料の風味差は読み取れません。

個人的にも、穏やかな酸味と甘みを感じるため高く評価しました。
左から42.42.38.41.41点/50 点でした。
但し、savageNについては、発酵臭を感じたため個人的には高い評価をしていません。

しかし、この発酵の風味は、最近、米国を中心に好意的に受け止められる傾向が強くあります。2018年に、ASIC(コーヒー科学学会)でポートランド(全米でマイクロロースターが多く、コーヒーの中心的都市、スタンプタウンの本拠地)に行った際にコーヒーショップを回ったところ、多くの店で微発酵の風味を感じました。それを良しとしているのでしょう。

しかし、それらは、精製のプロセスでで何らかの負のダメージを受けた結果であり、日本では欠点と判断しています。

嫌気性発酵(anaerobic)は、2~3年前から各生産地で実験が繰り返され、2020はよい豆もできていると感じます。
よいものは酸味、甘味ともに心地よいといえますじが、できのよくない場合は、発酵臭、エーテル臭、アルコール臭などがします。