パパ日記

コーヒー品種 6 ハイブリッド  コロンビア種 タビ種

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ハイブリッドチモール種は、コーヒー栽培には便利な特性を備えていました。
①樹のサイズが小さいため密植が可能、②果実はすぐに熟す、③さび病に対する耐性、④高い生産性が保証される、⑤5標高も約700〜1,000メートルで収穫が最適ですが、反面寿命が短く、インドネシアの平均的な生産寿命は10年程度です。

そのため、この樹の特性をいかし、生産地域との適正、風味の改善などを考量し、さまざまなアラビカ種との交配種が作られました。

カティモール種が有名で、世界各地に植えられつつあります。

それ以外に、コロンビアの Cenicafe(FNCの研究機関)が、1968年以降にカトゥーラ種と交配し開発したバリエダコロンビア種(Variedad colombia)が植えられました。 この品種は長年にわたって改善され、カスティージョ(Castillo)種を含むさまざまなサブ品種の育種基盤となっています。

しかし、1990年代に量産に伴う精製不良などと推測されますがフェノール臭問題を発生させています。70kgの麻袋に2~4粒ヨード臭を発する豆が含まれ、焙煎機から出した瞬間に異臭を感じました。商社に伝えてもなかなか理解してもらえず、その後ヨーロッパから異臭への不満が噴出し、この品種の評判は落ちていきました。

コロンビア種の増加は、コロンビコーヒーの風味を低下させたと思います。そのため、私は、1990年中盤から2000年初めまでの間コロンビア産を使用しませんでした。そのため、コロンビア産のコクの代わりに、グァテマラのアンティグア産のコクに目を向けましたので、サンタカタリーナ農園の使用につながったという経緯があります。

その後2000年代になって、再度コロンビアの使用を検討した際には、北部ノルテ・デ・サンタンデール県、サンタンデール県などに残るティピカ種やブルボン種を探し、使用していきました。このころは、まだ南部産のコーヒーの流通が限定的でした。2000年代を通し、コロンビア産のコーヒーの調達は、試行錯誤の連続で、その品質・風味に満足できず苦労した時代でした。


その後、Cenicafeは、2005年以降にカスティージョ種(Castillo)を開発しれていきます。 この品種リリースまでには、F5まで交配され、その後戻し交配(backcross)もされています。

 

Cenicafeの品種研究は加速し、コロンビア種以外にコーヒーの風味をを犠牲にしないでかつ、さび病に耐性にあるものの開発に取り組みました。2000年代初めにCENICAFEはTypica、BourbonなどとTimor Hybridを交配した“Tabi”種を発表しています。

樹の形状は在来種系に近いとされ、栽培適正も遺伝的に在来種系に近そうなのですが、コロンビア全体の収穫量のなかでの生産量は少なく、単一品種での流通はほとんどありません。

どちらかというと、ティピカ種のように経時変化が早いような印象です。
Tabiとはよいという意味ですが、コロンビア人がいうような優れたカップクオリティがあるとの印象はありません。今少しテースティング回数が必要です。

コロンビアの品種については、大まかには7つの品種が栽培されていますので詳細はFNCのHPを参照ください。
(cafedecolombia.jp)



コロンビア産の品種構成は、さび病に耐性のある品種が増加していきます。1970 年代までのティピカ種、その後のカトゥーラ種からハイブリッド種に変化していきました。耕地面積当たりの Susceptible (さび病の影響を受ける品種): Resistant (さび病に耐性のある品種)と生産量比較は大まかには以下の通りです。

2008年70%:30%、2012年46%:54%、2015年31%:69%とさび病に耐性のあるハイブリッド系の品種が増加しています。

現在、コロンビアでは、品種は Susceptible 系と Resistant 系が混在したものが流通しています。現在は、カスティージョ種が増加しています。



各地域や品種の具体的なテースティングについては、執筆中ですので、ここでは省略します。