パパ日記

コーヒー品種 8 カスティージョ種2

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昨日は、昼におろしそばを食べ、今日は玉子とじうどんを食べる。大きな器に入ってくる店ですので、お分かりの方もいると思います。



グラフは2019-20cropのコロンビアの3つの品種を味覚センサーにかけた結果(2020.11)です。かなり、風味に差異があることがわかります。
コロンビアの場合、北から南まで生産地は広域にわたりますので、生産県、標高、品種で風味の差異が出ることが明らかです。


また、カスティージョ種とカトゥーラ種が同じ風味パターンを示すこともあり、コロンビアコーヒーの風味評価は難しいといえます。この試料では、Castillo1とCaturra2が、Castillo2とCaturra1が同じ風味特性を示しています。
これらは生産履歴を精査して風味特性との相関性を検証していけばよいと考えます。

タビ種を一つ入れてみましたが、バランスの良い風味といえます。

コロンビアの品種
味覚センサー

FNCの研究機関であるCenicaféは、2005年に新しい品種であるカスティージョ(castillo)を開発し、農園改良計画の基に2009年から2014年までの間に325億本の苗木を植えたといわれています。


その後、FNCは、品質認知の為に様々なプロモーションも展開してきました。2015年シアトルのSCAA展示会のシンポジウムで、CRS(Catholic Relief Service)がCIAT(International Center for Tropical Agriculture)、WCR(World Coffee Research)の支援のもと2つの品種間に品質差がないと公表しています。これは、ナリーニョ県のカツーラとカスティージを22サンプル準備し、SCAA方式で様々なコーヒー関係者(著名な方々)に無作為にカッ ピングしてもらい、結果として2つの品種が同レベルであったとの結果に基づいています。


しかし、この見解に関しては、素直に受け取れない側面もあり、カスティージョ種をテースティングできるチャンスを待っていました。


そこで、Cundinamarca県、Cauca県、Tolima県、Caldas県、Magdalena県など各県のカスティジョ種をテースティングしました。
全体的には、フラットでやや重い風味だと感じます。この感覚は、古くからコロンビアのティピカ種に接してきた方には理解していただけると思います。

標高の高い産地のカトゥーラ種は、香りがよく柑橘果実の明るい酸味がありますが、カスティージョ種はやや風味は控えめです。


比較するとカトゥーラ種の方がクリーンな傾向が見られます。。
個人的な評価基準になりますが、カスティージョ種は35~38/50 点(SCA評価80~84点)前後の風味の物が多く見られました。カトゥーラ種及びゲイシャ種はは40/50 点(SCA85 点)を超えるものも見られました。


しかし、2020~21cropのコロンビア産の品種別グラフに見られるように、ランダムに選んだ6つの試料は、味覚センサーの結果 (2021.06) にはばらつきがあり、官能評価との相関はみられませんでした。

Castillo colombia
味覚センサー結果

Castillo3とCaturraは、同じ風味傾向ですし、 Colombia種に風味のメリハリを予測できますが、ゲイシャ種は穏やかです。 このコロンビア種を再度、厳密にテースティングして みる必要性がありそうです。


味覚センサーの結果は、属性の強度を示しますが、質的な側面を見ることはできません。 コーヒーの場合は、成分があまりに複雑ですので、他の食品のように単純に答えが出ません。使いこなすには、多くのデータの蓄積と解析のノウハウが必要になります。あくまで官能評価を補完するものとして使用するのがよいと考えています。