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おいしいコーヒーをつくること / 製造部:中島拓朗

おいしいコーヒーをつくること / 製造部:中島拓朗

 
堀口珈琲で働くスタッフへ、
仕事内容のインタビューをしました。

 

今回は製造部に所属する中島に、堀口珈琲で働くきっかけや仕事内容について話を聞きました。普段、なかなかお客様と接する機会がない製造部。これまでどんな仕事をしてきたのか、日々どんなことを考えながら業務に取り組んでいるのか、詳しく語ってもらいました。
 
聞き手は、ブランディング部・広報の中川。部署を越えて、堀口珈琲で働くスタッフの魅力に迫ります。
 
 
2016年入社 製造部所属 マネジャー
中島 拓朗

 
 

 
 
 
堀口珈琲との出会い
 
 

――以前、休憩時間に中島さんと話している時に、クールに見えて実はとても熱い方だなと感じていたので、ぜひお話を聞いてみたいと思っていたんです。今日はよろしくお願いします。では、まず、堀口珈琲に入る前はどんなことをしていましたか?
 
 
なんか言いましたっけ……。まぁいいや。今日は時間を作ってくれてありがとうございます。よろしくお願いします。以前はコーヒーを中心とした飲料メーカーで働いていました。最初の3年半は営業でスーパーのバイヤーと商談や商品棚作りを、後半の3年半はマーケティングに関わる部署で缶コーヒーなどの飲料開発を行っていました。
 
 
――その後、堀口珈琲へ転職したのですよね。どのようにして知ったんですか?
 
 
堀口珈琲を知ったのは「一個人」という雑誌でした。「こんなコーヒー屋があるのか」という驚きを感じました。
 
 
――「一個人」で堀口珈琲を知った、というスタッフは多いですよね。知った後、すぐに転職活動を?
 
 
いや、すぐではないですね。社会人になって3年目の頃、メーカーで働きながらも現状にモヤモヤしていて……。元々コーヒーに関わる仕事がしたいと思って就職したのに、販売するものがコーヒーなだけで、コーヒー作りそのものとはかけ離れたところにいるように感じていました。それを解消するために、愛知県から月に1回程度、堀口珈琲のセミナーに通い始めました。セミナーは面白くて、最初は趣味でしたが、だんだんとこのままここで働きたいと感じるようになり始めました。そこから数年間、転職しようか悩んでいましたが、当時の堀口珈琲の求人募集要項に「20代まで」とあったので、29歳の誕生日を迎えた時に、受かるかわからないけれどダメ元で応募しました。
 
 
――愛知県からセミナーに通っていたんですか!それはなかなかの想いがないとできないですよね。
 
 
まずは狛江店での喫茶業務から始まりました。接客は得意ではなかったのですが、コーヒーづくりをする上で大切なことだとは思っていたのでとにかく必死に取り組みました。お客様に味わいをお伝えすることで表現の幅が広がるし、コーヒーへの理解深まりますし。でも味わいの説明には本当に苦戦していました……。入社当時は、堀口珈琲の表現の仕方が特殊だと感じていましたし、自分の言葉で伝えようとすると、それは違うって言われたり(笑)。でも慣れるとだんだんとわかるようになって楽しくなりました。自分で抽出したコーヒーを、お客様においしいって褒めていただいたときは嬉しかったですね。それから2、3ヶ月経って、製造チーム(※)に移動になりました。
 
 
――製造チームはコーヒー豆(焙煎豆)をつくるチームです。最初から焙煎をやりたいと思っていましたか?
 
 
そうですね、それは入社時から伝えていました。当時は堀口珈琲でしかできない焙煎などの製造部分や、コーヒーの素材である生豆関連の仕事をしたいと思っていました。でも、そもそもコーヒーを深く勉強したいという想いが一番強くて、焙煎がしたいというよりは「コーヒーを知るうえで焙煎を勉強してみたい」という考え方でした。
 
 
――喫茶業務から製造業務に移って、大変ではなかったですか?
 
 
いやぁとにかくスピードを求められるので。慣れるまではそれなりに大変でしたね。
 
 

 
 
 

素材のおいしさと焙煎方法が本当に重要だなって感じますね。
 
 
――現在、担当している仕事についてお聞かせください。
 
 
まず前提として、製造部なのでコーヒー製造業務の多くのことに携わっています。生豆の選別、焙煎、焙煎豆の選別、ブレンドの作成など。そのなかでいくつかのチームに所属しながら、今は「外注管理チーム」のリーダーを任されています。「外注管理チーム」は外部の協力会社と一緒に堀口珈琲の簡易商品やコラボレーション商品をつくるチームです。リキッドコーヒーやコーヒーバッグ、コーヒービールなどを協力会社に製造してもらっていますが、これらの進行管理を行っています。前職の飲料開発と似ていますが、今は、中身のコーヒーをおいしいものにすることに注力できるので楽しいです。
 
 
――おいしい商品を作るために意識していること、もしくは新しい発見や気付きなどがあれば教えてください。
 
 
特にこの「外注管理チーム」の仕事を通して感じるのは、品質の高い「素材(生豆)」があって、その上で「焙煎」が重要であるということ。どちらかが欠けると、おいしい商品にはならないんです。リキッドコーヒーなどは最終の仕上げは協力会社がするので「焙煎での味」の影響はそこまでないのでは?って思うかもしれませんが、焙煎したコーヒーの味が「酸が強いな」「ちょっと渋みがあるな」と感じたものは、加工後の商品の味にも反映されます。だから、協力会社による加工がある商品だとしても、コーヒーそのものがおいしくないとだめなんだなって。素材のおいしさと焙煎方法が本当に重要だなって感じます。

 
 

――その気づきは外注管理チームならではかもしれません。あと、素材の良さを改めて実感するタイミングが定期的にあるっていうのは、他の人にはない中島さんの強みかもしれません。
 
 

そうですね……そうかもしれません。何度も言いますけど、やっぱりコーヒーそのもののおいしさが重要です。生豆の素材のすばらしさと、その個性を的確に取り出してあげる焙煎がなされて、初めておいしい加工商品ができあがります。この仕事をやらせてもらえたからこそ、改めて理解できた部分だと思っています。あと、個人的に嬉しかったのは、外部協力会社の製造現場の見学に行かせてもらったことです。現場を見ることで初めて知る部分が多いですし、作ってくださる現場の方々から直接話を伺えたのもありがたかったです。
 
 

手前に3本並ぶのが、中島が担当しているリキッドコーヒー。

 
 
 
当たり前なことをできることが大切なんだと思います。
 
 
――中島さんが考える堀口珈琲の魅力ってなんでしょう?
 
 
自分たちが扱っている商品がおいしくて、自信を持って販売しているところです。当たり前なんですけど、そこが一番いいところだと思います。あとは、いくらでも値段はあげられるところを、適正な価格で販売しているところです。コストを削るために何かしよう、ではなく、あくまでも「おいしいコーヒーを作る」ことが前提にあって、その上でどうするか、という議論が行われる社風がいいですね。働いていて疑問に思うことがありません。あとは、働いているみんながコーヒーを好きだということ。当たり前のことばかり言っていますが、当たり前なことをできることが大切なんだと思います。
 
 

――確かに。自分たちの販売する商品が好きだから、自信を持って人におすすめしたくなりますよね。それってとても大切なことだと思います。では次に、どんな人が製造部に向いていると思いますか?
 
 
日々の業務に関心や疑問を持ち、改善していける人が向いている、というかそういう人に入ってもらいたいなと思っています。他部署と比較して、製造部というと淡々と作業をこなすようなイメージがありますが、それでは工場は良くなりません。特に横浜ロースタリーはできてまだ2年ほど、堀口珈琲としても初めての専用工場なのでこの期間だけでも様々な変化がありました。まだまだやれることはたくさんあると感じています。また、ひとつひとつの作業を正確に、効率良くやれることも当然ですが必要です。ですが効率ばかりになってもダメだとは思います。あとは、やはりコーヒーの工場なので、コーヒーが好きで品質を向上させるために何ができるか常に考えられる人が良いなと思います。
 
 
――淡々と作業をこなすイメージがあるかもしれませんが、横浜ロースタリーで働くスタッフは常においしいコーヒーを作るためにどうすればよいか、思考を巡らせていますよね。実は「根が熱い」という方が多い印象です。では、最後に。今後の目標などがあれば教えてください。
 
 

入社時は「焙煎したい」とか「生豆関連の仕事がやりたい」とか思っていました。でも今は、綺麗ごとかもしれませんが、会社に貢献したいって気持ちがあります。当社は規模的に大きくないので、自分が頑張ればどこかが変わる、ってところが想像できるじゃないですか。あとは働くからにはよくしていきたいです。今は管理業務を任されているんですけど、それはそれで勉強になるし、とりあえず与えられたところで上を目指していきたい。その中で、焙煎やいろいろなことにトライしていきたいです。
 
 


 
 

――さまざまなことに挑戦していく姿、これからも追っていきたいと思います。
今日は貴重な時間をありがとうございました!

 
 
こちらこそ、振り返るきっかけをつくってくれてありがとうございました。
 
 
 
 

※…2018年時は狛江店・製造チームという名称。