パパ日記

Brazil 5 ブラジルのコーヒー風味と評価

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ブラジルコーヒー院(IBC:Instituto Brasileiro do Café )は、輸出等級を以下の7つに分類してきました。

1.RIOZONA、2.RIO(RIO)、3.RIADO(RIOY)、4.DURO(HARD)、5.APENAS MOLE(SOFTISH)、6.MOLE(SOFT)、7.EXTRITAMENTO(STRICRTY SOFT)

1から3はヨード臭(リオ臭)で日本には入荷しません。
4以降は日本に入荷していますが、4は渋味があり、軽い発酵臭がある場合も多くみられました。5はコクが弱く6は不快な味がない無難な風味で、7は優れた豆とされていました。

しかし、ブラジルの官能評価ではハード以上か以下の等級分けのみで、5~7までの明確な基準や点数区分はありません。この仕事を始めた30年前には、ソフトとストリクトソフトの区分は曖昧でしたし、風味での格付けはされていませんでした。

ブラジル産コーヒーは、ブラジルのクラシフィカドール(コーヒー鑑定士)が、バイヤー(日本の商社など)からの価格と風味のリクエストに応じ、各産地の生豆をブレンドしていました。

20年前には、ブラジル生産者、生豆輸入商社、ロースターには、単一農園という概念はなかったと思います。

現状では、これらの等級はコマーシャルコーヒーで一部使用されますが、SPについてはSCA方式やBSCA方式で運用される事例が多いと思います。 しかし、日本入港のブラジル産のコーヒーを、現状のSCA方式で評価をすれば、85点以上のスコアがつけられることはほとんどありません。

コンテストなどでは90点がつく事例もありますが、あくまでコンテスト内での評価点です。他の生産国の酸味のあるコーヒーと比較してしまうとどうしても点数が伸びません。

 

2016-17Crop Brazil

 

グラフは、2016-17Cropの12資料のSCAAの官能評価(n=15)の結果です。
どうしても評価が低くなってしまう傾向があり、SCAAのカッピンフフォームを使用するには無理があります。酸の評価が低くなり、クリーンさやカップの統一性で減点になる可能性が高くなります。

もともと、Natural用に開発されたものではありません。2003年当時このカッピンフフォームが運用され始めた時期は、エチオピアのG-1や中米の高品質のナチュラルは存在しませんでした。したがって、Nturalの評価票も必要になります。

したがって、ブラジルコーヒーについては、酸が控えめなLow acidのコーヒーとして評価する必要があると考えます。コク(ボディ:Body)、クリーン(Clean)、アフターテーストの甘味(Sweetness)、良質の苦味(Bitterness)、発酵(Fermentation)などに着目し、新たな評価基準で評価すべきと考えています。