パパ日記

標高2 コーヒー生産地の標高 コロンビア

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アラビカ種の生育適温は最低が16℃で、最高が24℃を理想といわれますが、それはエチオピア高原の気温に基づいています。このことも高地産のコーヒーの成熟が緩やかでよい品質に寄与すると考えられる要因の一つです。

 

コロンビアは、北から南まで広い生産気域があり、緯度により生産地で風味は大きく変わります。
これまでの経験値からいえば、北部のマクダレーナ県(Magdalena)、セサール県‘Cesar)よりも、南部のウイラ県(Huila)やナリーニョ県(Narino)の方が、標高が高く酸やコクのあるコーヒーが多いことは官能的には明らかです。
但し、SPの場合は、品種と標高の関係、精製などのプロセスが関与することもあり、断定するには無理があるかもしれません。

 

コロンビアのナリーニョ県やコスタリカのタラスの標高2000mの優れた生産者のコーヒーは素晴らしい風味ですし、グァテマラのアンティグア産の1400mより1800mの地点の方がよいコーヒーが生まれる可能性は高いとわかっています。
(詳細なテースティングデータはここでは省きます)

しかし、科学的なデータでそれらを証明したものはほぼみられません。
簡単に言えば、SPの場合は、標高と官能評価との相関性は取りにくいということです。

コーヒーの風味は、何度もお話ししているように複雑な要因により生成されていると考えられますので、考えれば考える程難しくなります。

グラフ1は、コロンビアコーヒーのCOE(Cup of Excellence:カップ・オブ・エクセレンス)入賞数と標高の関係を見たもので、FNC(Federación Nacional de Cafeteros de Colombia:コロンビア生産者連合)が作成しています。
この図では、1400m~1700m程度の標高の豆の入賞比率が高いことを示しています。特にsusuceptible(カトゥーラ種など)の入賞が多いことを示しています。

但し、これは2015年までのデータですので、標高2000mのナリーニョ産のコーヒーが出品されているのか把握していませんので、産地の詳細は調べる必要があると思います。

グラフは、コロンビアのアンティオキア産(Antioquia)のカトゥーラ種とカスティージョ種の標高別の豆を味覚センサーにかけたものです。

試料は、2021年の「The National Coffee Quality Competition」の入賞豆の中からセレクトしたものです。
コロンビアの15地域1.100の農家が参加しています。
しかし、これらの豆は全体的に、他のコロンビアのオークションのロットに比べ風味はやや劣ります。
個人的な評価ですが、この4種のAntioquia産の中で、SP基準(SCA)をクリアしているものは1400m(カトゥーラとカスティージョ種混在)と2000m(カトゥーラ種)の2種でした。
1400、2000mは共にフローラルな香りがありましたが、1700mは味覚センサーのグラフではよいバランスを示していますが官能的には濁りを感じました。

 

アンティオキアの主な収穫時期は、9月~10月、標高1,200~1,800m程度、平均気温22℃、年間降水量2,600mm/年です。コロンビア北西部でメデジンを州都とし、古い生産地です。30~40年前が全盛期でした。

2000年代中盤からのSPの概念の広がりのなかで、現在のコロンビアコーヒーの主流である、サンタンデール、トリマ、カウカ、ウイラ、ナリーニョなどに比べ埋もれてきた産地です。

昔は主要産地でしたので、本来はポテンシャルはあると推測しますが、今少し研究が必要です。