パパ日記

賞味期限5 精白米とコーヒー2

https://reserva.be/coffeeseminar
コーヒーセミナー

急にかつ丼が食べたくなり、蕎麦屋かとんかつ屋に行くか‽自分で作るか迷いましたが、
結局ロースト、ヒレを買い、玉ねぎ、そばつゆ、卵で作りました。
余計なことですが、親子丼の場合は、長ネギを使用したほうがおいしいので、蕎麦屋では玉ねぎの代わりに長ネギを敷いてと注文します。

とんかつは、寿司に匹敵する日本の食べ物だと思いますが、かつ丼も捨てがたいですね。
とんかつ屋ですと味の決め手になるつゆの味に物足りなさを感じますので、蕎麦屋で揚げたてのとんかつであれば、その方がうまいと思います。

さらに、余計なことですが、豚肉は肉質もありますが、香りが重要です。
その面ではポークソテーの方が豚肉の味はよくわかります。

米はランチで、すし、かつ丼、天丼などでたまに食べますが、それ以外は町中華で半ライスを食べます。そもそも、家で米を炊くことは非常に少ないですね。
ちなみに、ここ1か月自分で米を炊いてはいません。

コーヒー生豆と同じように米の保存期間中には化学的成分の変化が見られます。

①脂質の変化
精米の総脂質量は貯蔵時間と共に徐々に減少します。
常温密閉貯蔵区、低温4℃(湿度65%)、低温12.5℃(湿度65%)の3区でその変化を調べた研究があり、
1年経過後も大きな変化はないものの、常温解放貯蔵区では、脂質が1.47%から0.4%程度の減少がみられたとしています。
この結果から、低温貯蔵温度は12.5℃で十分としています。
また、寒冷地では、寒冷冷気を利用し米を冷却することが可能ともしています。
コーヒー生豆の場合は、諸条件によりますが1.0g/100gから2.0g/100g減少します。

②遊離脂肪酸
中性脂肪は、貯蔵中に脂肪分解酵素リパーゼにより加水分解されます。
その結果、遊離脂肪酸が増加します。
これは、中性脂肪中の各脂肪酸の減少を意味しますので、遊離脂肪酸の脂肪酸度は品質判定の重要な指標となります。リパーゼの反応最適温度は25~40℃ですので、脂肪酸度(新米は20㎎以下)は、含水量と相対湿度の高いほど増加します。

貯蔵時の脂肪酸度(遊離脂肪酸の割合)4.7mgの精米を5℃、-20℃で1年間保管した実験があります。5℃はわずかな上昇に収まりますが、15℃の場合は徐々に増加し18.9mgにまで上昇しています。
25℃の場合は9か月後に21.5mgに上昇し、12か月後は14.6mgに減少しています(脂肪酸がさらに酸化分解されアルデヒトやケトン類が生成したため)。
基本的には、低温であれば脂肪酸度の上昇は少なく、5℃以下の籾(もみ)貯蔵であれば4年の長期でも食味を保持できるとしています。
したがって、賞味期限は保存温度との関係になります。

コーヒー生豆の場合も同じように遊離脂肪酸は上昇します。
パーチメントの方が脂肪酸は少ないと考えられますが、生豆とパーチメントの比較実験は見当たりません。

 

古米臭は、米中の脂肪の酸化よりが生成されます。
ペンタナール(吉草酸、イソ吉相酸は蒸れた靴下),ヘキサナール(大豆や青臭さ)、プロピオンアルデヒド(刺激臭)などが古米に多くみられます。
異臭を感じた場合は、賞味期限を超えていると判断したほうがよいと考えます。
定温5℃と恒温40℃で精白米を2か月保管した場合、5℃が新米の匂いがあるが、40℃は古米臭が圧倒しているという実験もあります。

続く

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

堀口俊英(ほりぐちとしひで)
2002 年堀口珈琲研究所設立
2019年東京農業大学・環境共生学博士課程卒業
著作:「The Study of Coffee」新星出版・2020年その他
論文:「有機酸と脂質の含有量および脂質の劣化はスペシャルティコーヒーの品質に影響を

及ぼす」2018