パパ日記

エチオピアナチュラル-1

ナチュラルは果肉をそのまま乾燥させます。
エチオピア、イエメン、ブラジルなどで行われています。
利点は工程が少なく簡易ですが、
乾燥に10日からそれ以上と日数がかかったり
広い乾燥場が必要となったりしますが
最大の問題は、選別ができずに未熟豆や欠点の豆の混入が多いことです。

 

現状でもエチオピアのナチュラルの場合は、生豆の欠点が多いG-4やG-5が大部分でG-1のように欠点の少ないものは例外中の例外のコーヒーといえます。
従来のハラー、ジマなどの多くのナチュラルの香味は、未熟、醗酵、濁りなどの欠点の香味が混入していましたが、それがエチオピアモカの味として認識されています。
日本は醗酵食文化が発達し、日本人はこのエチオピアの醗酵に近い香味を受け入れたのだと思います。
私がこの仕事を始めた時は、エチオピアのナチュラルにG-1グレードはなく、ハンドピックしまくりましたがそれでもいい香味は感じませんでしたので、使用はあきらめました。

しかし、完熟したチェリーのみを使用し、欠点の味を取り除くと、コンガのナチュラルのようにクリーンで果実感のある香味が現れます。このような完熟豆でナチュラルを作るという発想はエチオピアの良心的なコーヒー関係者にもあったのですが、生豆価格も高くなり、世界中のトレーダーやロースター(消費マーケット)がそれを求めない時代が現在まで続いてきたわけです。

 

 

そのような状況の中で数年前、堀口珈琲が世に問うたミスティバレーというG-1は、日本マーケットに衝撃を持たらしました。このようなコーヒーは、正しくコーヒーを理解できる生産者とそれを求める消費国のロースターである堀口珈琲のような会社との協力関係がないと誕生しないコーヒーです。
ナチュラルのG-1の生豆価格は高く、長期的に安定的した量を購入できる堀口珈琲の存在が、このようなコーヒーを生み出しているということをご理解いただければ幸いです。

このようなすぐれたコーヒーの存在が広まれば、今後購入しようとするトレーダーやロースターも増えるでしょうから、精算現場も競い合いつつより優れたものを作ろうとする機運も生まれるでしょう。
堀口珈琲は、世界中の多くの生産現場でフロンティアであると思います。