パパ日記

輸入品

円安、金融緩和、公共投資による景気浮揚策で、徐々に景気が回復しつつあるとの論調及び指標が目立ち始めていますが….?日本経済は輸出、輸入、海外生産など多様、複雑な構造になりつつあります。
円安による輸出誘導は、輸出産業には追い風となります。
反面、食品その他輸入産業は過去の円高の恩恵を受けていたとはいえ、この急激な円安は多くの輸入企業にダメージも与えます。
本当に経済が良くなるにはこの両者にとってのバランスが良いことが必要なので、円安、株高の誘導政策がいいとは単純にはいい切れないところが難しいところです。

 

 

コーヒー業界は、円高の時には生豆の輸入メリットがありましたが、この時期は生豆相場が高騰していました。今の円安の局面では輸入はデメリットですが、逆に生豆相場は安くなっています。この関係の中でつじつまが合い、日本のコーヒー業界は現状維持できてきたともいえます。
しかし、コーヒー相場も単純な構造ではなくなってきています。生豆の多くは汎用品を意味し、我々が扱う希少な高品質品は異なる価格構造となってしまいました。
高品質品は、需要の増加、生産地の人件費の高騰、肥料代、病害虫対策の農薬代などでより高値構造となり、相場による生豆価格の変動がなくなってきています。
したがって、円安の局面ではより厳しい輸入条件となり、日本の輸入会社は海外企業との高品質豆の争奪に不利になり、かつロースターは生豆仕入れ価格の高騰に直面します。

 

堀口珈琲では10年以上前から、多くの輸入商社、輸出会社、農園などと良好なパートナーシップを形成してきましたので、このような環境下でも高品質豆を確保していく力がありますが、原材料である生豆の仕入れ価格の高騰は決して好ましい状況ではありません。これらは他の多くの輸入品などにもいえることです。
日本は多くの原材料及び製品輸入にも頼っていますので、輸入価格の値上がりが企業、店舗にも影響を与えつつあります。経済は複雑な構造で成り立っていることも忘れてはならないでしょう。

 

日本の産業、社会構造は変化しています。
ごく近い将来である東京オリンピックの2020年時点でさえ予測が難しい状況となっています。
コーヒー業界も、変化が激しく、大きな転換期を迎えつつあるように思えます。
セミナーなどで少しずつお話ししていきます。