パパ日記

これこそイエメンだ

コーヒーの古い産地ですが、世界中の消費国でその香味の本質が理解されていない生産国でもあります。ナチュラルの精製の産地ですが、乾燥したチェリーの脱穀の時期がコントロールされていない為、ニュークロップの入荷はまれとなり、日本入港の大部分は発酵に近い香味がします。
しかし、日本ではこの香味をモカの香味として販売しています。

 

日本は、安いエチオピアのナチュラルのグレード4~5をモカとして扱っていますが、本来はイエメンであるべきです。
この産地のコーヒーは、団塊の世代以上のコーヒー関係者には若干の理解者がいますが、多くのコーヒー関係者には、価格も高く興味のない産地となっています。
トレサビリティのわかる豆の流通は、これまでほとんどなく、世界中のコーヒー会社もこの香味を理解していないといえます。

 

 

私の世代が、この地域の香味の本質を追求しないとイエメンはいつまでたっても、「腐ったような香味」のままで認知されていくことになりそうで、数年豆から地道に開拓をしてきました。
本当のイエメンといえる香味の生豆は、価格も高く、「モカマタリ」という曖昧な表示の豆の3倍以上はしますので、日本及び世界に流通する量は極めて限られます。
また、新鮮な生豆は、従来のイエメンとは全く香味が異なり、明確な酸とチョコレートやハーブの香味があり、従来の世界中のコーヒー関係者にとっては、まだまだ違和感を感じることが多い状態です。
本当にいいイエメンを飲んだことのある人は少ないのが実情です。

堀口珈琲は、無理をしつつこの産地とかかわってきています。
日本では、最も多くの高品質イエメンを購入しているはずです。
「アデンアラビア」に影響を受けた世代ですので、一度は行ってみたいですね。

 

 

 

今朝のコーヒー
ブレンド No.4 シティロースト
堀口珈琲の9つのブレンドの中で、陰に隠れていますが、世界中のコーヒー会社が簡単には作れないレベルの素晴らしいブレンドです。
イスマイリが入っています。特徴的な香味ですのでわかりやすいかもしれません。
ベリー、プルーン、スパイス等複雑な香味で、チョコレートのような風味もあります。

先日上原店で、13-14のイエメンサンプルをカッピングしましたが、レモンやアンズの酸、チョコレート等素晴らしい香味で、最高峰のイルガチェフェ・ナチュラルにも勝るとも劣らない「モカ」の本質的な香味の一部と思えた素晴らしい体験でした。
SCAAの評価基準で90点をつけていいと思います。
ニュークロップで、従来のイエメンとは別世界の香味ですので、日本のコーヒー関係者の大部分が未体験の香味となり、かつ困惑する香味といえます。
日本にこの状態で入港してくれたら、又お知らせします。

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デンマーク、B&G (Bing & Grondahl) 社のもの。ロイヤルコペンハーゲンと同質の食器を作っていましたが1987年にRCに買収されます。
やや小ぶりですが品のいいカップです。
ソーサーのマークから1970年代くらいに作られたものと推測されます。