パパ日記

第1回 喫茶店を経営している方へ

私は1990年の開店時から喫茶及びコーヒー豆の小売りと卸売りを行ってきました。
開店後多くの方の開店に立ち会い、その数は数百店にもなると思います。

 

 

私の開業時はバブル崩壊前でしたが、すでに、年間3000~5000店の喫茶店が廃業に追い込まれていた時期です。1981年には160.000店あった喫茶店は現在80.000店を割っています。対外的に見ればチェーン店、ファーストフード、専門店、オフィスコーヒーの台頭など様々な時代の変化があり、また内部的要因としては経営者の高齢化、感性のずれ、食材、コーヒーの品質低下等の様々な要因があり、第一次喫茶店崩壊の時期は2000年以降まで続きます。巨大な「つなみ」のようなものに準備が足りなかったといえるでしょう。
2000年以降は東京カフェが誕生していきますので、これは後日お話しします。

 

 

 

喫茶にとってコーヒーは、重要不可欠の商材です。
依然として個人の喫茶店の経営が厳しい中、2010年代に入り新たなコーヒー戦争がはじまりました。チェーン店の拡大、ファーストフードのコーヒーの見直し、そしてコンビニコーヒーとコーヒーマーケットは大きく変貌してきています。
消滅した喫茶店80.000店に代わるコンビニ店がいきなり50.000店できたわけです。
そのコンビニでは、個人店の喫茶店の1日あたりのコーヒーの杯数を大きく上回る杯数が出ています。

 

 
また一方では、ネスレのアンバサダーやネスプレッソの進出も大きく、喫茶店はその両者から挟撃されている状況にあります。
したがって、個人の喫茶店は2度目の大きな「つなみ」に直面しつつありますが状況が見えていればある程度の対策はできるはずです。

 

コーヒーという観点から見れば、喫茶店のコーヒーはマクドナルドやコンビニより劣るものも多く見られ、これでは戦車に鉄砲で戦うようなものです。
私は、多くの喫茶店の開業に立ち会いそのノウハウを蓄積してきましたので、現在朝日カルチャーセンターで「小さな喫茶店・カフェの作り方」という講座をもう10年近く開催しています。ここではマーケットの厳しさを伝え、「業界に参入すべきか否か?」の判断材料を提供しています。「できればやめた方がいい」とまで厳しいことを言いますが、本当は個人がこのビジネスできちんと生計を維持してほしいと願っています。

フルサービスの喫茶は、夢のある仕事です。
味を通した人間のつながりの中に喜びを見出すことができます。
収益は少なくとも、やりたいことをできる幸せは何事にも代えられません。
しかし、この仕事には向き不向きもあり、好きだけでは困難でそれなりの準備が必要ですし、スキルも問われます。

 

これまで多くの喫茶店は閉鎖的で、新しい時代に目を向けずにいたといえるでしょう。
すでに店を経営している方にはますます厳しい状況が生まれてくるでしょう。
そこで開業している喫茶店のオーナーの方に何らかの形でお手伝いをしたいと考え始めました。私にできることは小さいかもしれませんが、最近のコーヒー戦争をみていると一個人で立ち向かうにはあまりに厳しいと考えこのブログを書いています。

 

 

まずは

1.堀口珈琲の世田谷店もしくは狛江店を見学してください。
2.店に来ることが難しければ.堀口珈琲のコーヒーを飲んでみてください。
3.そのうえでご相談ください。
次回以降はカフェ、レストラン、ケーキ店などの今後のコーヒーのあり方の等のヒントをお話しします。