パパ日記

1年間ありがとうございました ロースト豆について

生豆の品質維持については、生産の現場から日本における管理まで注意を払っています。

生豆は輸送途上で鮮度にダメージを受けやすく、堀口珈琲では早くからリーファーコンテナ(冷蔵)を使用してきました。それらが手配できない産地では生豆を真空包装したりやグレインプロ(穀物用の包材)を使用したり、その鮮度劣化を防ぐ方策を講じてきました。日本入港後は定温倉庫に保管し、高級ワインと同じように管理しています。


この生豆を狛江店や上原店でローストしています。
堀口珈琲のローストの度合いは、ミディアム、ハイ、シティ、フレンチなどとなりますが、多くは酸とコクがしっかりしている生豆を購入しています。それらには深くローストできる可能性があり、さらにはその手前のローストでも香味を発揮する可能性がありますので堀口珈琲の生豆の選択の重要な判断要素となります。
生豆購入時や入港時のカッピングを通し判断しています。


酸やコクのあるコーヒーの多くは、標高が高く寒暖の差がある産地で収穫されたものが多くなります。
そのような栽培適地は少ないため貴重なコーヒーともいえます。


堀口珈琲では、開業時からシティやフレンチローストのコーヒーを多く販売してきました。
スマトラのリントン地域の在来種のマンデリンやケニアのニエリ地区のコーヒーは、ハイローストからフレンチローストまで楽しめますが、堀口珈琲ではシティからフレンチローストがベストと考えローストしてきました。
エリオピアのイルガチェフェなどはシティローストを標準としています。
中米の生産国の中では、グァテマラのアンティグア地方やコスタリカの一部のコーヒーには華やかな酸とコクがありますので、シティからフレンチまで対応でき、その素晴らしい香味を体験できます

 
もちろん、華やかな酸はあるもののコクがやや弱めでもいいコーヒーはあります。
パナマのゲイシャ種、エルサルバドルのパカマラ種、ニカラグアのマラゴジペ種などです。
これらはハイローストで特徴的な香味が生まれ、シティまでローストすると個性がなくなる場合も出てきます。
 

コーヒーは、同じ豆でもローストの違いにより香味が変わりますので多様な楽しみ方ができます。
その豆の潜在的な香味を予測しつつ、適切なローストをしていますので、さまざまな生産国のコーヒーを多様なロースト度合いでお楽しみください。