パパ日記

マンデリン

スマトラには、リントンとアチェと大きく分けると2つの産地がありますが、
堀口珈琲は開業時からリントンの小農家の豆を使用しています。

スマトラの場合、輸出会社は仲買人から豆を買うため農家が特定できません。
仲買人はその農家の情報を開示しませんので、数年間輸出会社経由と交渉し、
場所の特定をするミッションを組みました。

その結果、堀口珈琲のマンデリンが
1..特定の40の小農家の豆であること
2.樹齢の古い古木が多いこと
3.在来種系の品種であることなど
が確認できました。
さらにそのコーヒーの精製と選別工程の精度を上げたものがLCFマンデリンです。
多くのマンデリンが流通していますが、本物といえる数少ないマンデリンでしょう。
日本入港時は、クリーンでしっかりした力強い味です。
それから、徐々に香味は変化し、ベルベットのような触感が生まれ、かすかにフルーツの酸を感じられるようになり、木や植物を含む複雑な香味に変化していきます。
堀口珈琲ではこのマンデリンを20年前からフレンチローストにしています。
これは古くからの日本の伝統的なローストを踏襲しています。
アメリカのピーツコーヒーも同じように昔から深いローストでマンデリンの香味を表現しています。
もちろんシティでも素晴らしいのですが、その香味の神髄はフレンチローストにあります。
他の多くのマンデリンはカチモール種が多く、フレンチローストにすると、苦みや重みが、かつ香味が濁る傾向がありますが在来種系のマンデリンは根本的に香味がよいと思います。
1年を通し、香味の変化していく代表のような豆ですので、現在入荷したての豆を味わい、2~3か月に一度香味を試していただくとコーヒーの奥ゆきの深さを堪能できると思います。