パパ日記

喫茶の歴史

店も長い歴史を刻むと、お客様のさまざまな人生に遭遇します。
日常的に喫茶を利用したり、豆を購入される方、転居して数年ぶりに来られる方など多くのお客様に見守られて店は時を刻んできました。
長い時を経ることができたということは、この店を愛してくれたさまざまのお客様の存在なしには語れません。

 

 

お母さんと一緒に来たお子さんが成長した姿を見ることも珍しくはなく、20年以上私と一緒に堀口珈琲の成長の変化を共有した方々も多くいます。

 
堀口珈琲の世田谷店は繁華街ではなく、住宅地でもありますのでお客様には、ほどよい距離感をもって接客してきました。それは、個人的なおつきあいや友人関係にまでは至らない微妙な人間関係とでもいうのでしょうか?暗黙の信頼関係とでもいうのでしょうか?
そんな関係で成り立ってきたと思っています。

 

しかし、お客様の人生の中で堀口珈琲が特別な場所になっていく方も多く、うれしく思う反面、時の経過は残酷で、それらの方々の逝去の訃報を耳にすることも多くなってきました。その方にとって、どれほど堀口珈琲の存在が大きかったのかという思いを受け止めながら、喫茶は毎日何事もなかったかのように開店して、さらに歴史を刻んでいくことになります。