パパ日記

コーヒーとワインとリーファーコンテナ-2

さてコーヒーに話を戻すと

2000年以降に世界的なスペシャルティコーヒーの萌芽がみられ、生産者わかるコーヒーの輸入が見られ始めます。
今はシングルオリジンという言葉が使用されますが、当時はそのような言葉の使用はありませんでした。ほとんどの日本のコーヒー関係者及び海外のエクスポーターもシングルエステートの生豆という概念、ましてやその必要性なども理解できない時代でした。

 

しかし、私は生産国の香味を確認したい思いが強く、シングルエステート(農園)の豆の確保に心血を注いでいました。
ブラジルののグラウシオ、コロンビアのオズワルド、そしてサンタカタリーナ農園のペドロにも巡り会ったのもこの時期でした。

 

 

積極的に開業支援したビーンズショップのメンバー(LCF)も増加し、生豆使用量も増え始め、1コンテナの購入が可能となりました。
そこで、それまで温めていたリーファーコンテナでの輸入を模索しました。

 

 

振り返れば、10年ほど前の日本では(もちろん世界でも)、生豆輸送にリーファーコンテナの使用実績はほぼありませんでした。

 

 

この当時、某大手商社が例外的にリーファーを使用していたと記憶していますが、この生豆価格には高いプレミアムが設定されていました。
この事例以外でのリーファー使用はほとんどなく、2000年前半に堀口珈琲とパートナーであるトレーダ―が手さぐりでリーファーコンテナでの輸送実現にこぎつけたといえるかもしれません。
当然、日本入着後は15度の温度管理がされた定温倉庫に保管しました。

 

但し、世界中の生産地にリーファーコンテナがある訳ではなく、初期の段階ではその手配に苦労もしましたが、現在では中米、ブラジル、コロンビア、タンザニア、ケニアなどの多くの産地でリーファーコンテナを使用しています。

 

 

フランスからワインを輸入する場合は、赤道付近を航海しますので、一般的なドライコンテナ内の温度は、25~40度くらいにはなるといわれます。
リーファー内の温度設定はトレーダーによりさまざまですが、例えば18度とすればその温度が維持されます。

 

 

しかし、夏場ですと、荷卸し、通関で30度以上の外気に触れてしまうわけです。
したがってリーファーであってもワインは日本の夏の到着は避けるべきとはよく言われます。その後は定温倉庫に保管され、出荷されます。

 

 

特殊な事例としては、現地のカーブで空気とワインを酸素無透過のフィルムに一本づつ詰めてリーファーで輸入する会社もあります。
高級ワインは価格も高く、デリケートですので様々な考え方をする人がいますね。
国内輸送は、日本の場合クール便があり、夏場でも大きな問題はありません。

 

 

生豆の場合は、平均気温25度の山からから30度以上の港に生豆を運んでコンテナに積むとすれば、そのタイミングも重要となります。
港での滞留を少しでも減らすことに気を配る必要性は感じています。
また最近は、収穫の遅れた豆や、標高の高い産地などからの豆は6月から8月に日本に入港になることも多くなっています。

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横浜にて ケニアコーヒーのデバン。

 

少し気になりましたので夏場のデバン(コンテナから荷物を取り出す作業)に何度か立ち会いましたが、生豆の場合は特に問題なさそうです。
また、国内輸送も、定温倉庫から出して出荷しますが、生豆はワインほど神経質に考える必要はないと考えます。

続く