パパ日記

パーストクロップの香味-2

生豆については多く記述してきています。
この時期多くの生豆が鮮度劣化というか香味の変質に直面します。
スペシャルティコーヒーだからといって、この鮮度劣化から逃れることはできません。

 

 


したがって、品質の側面からみて長くその豆の香味が維持できる豆が優れていると考えることもできます。
この生豆の鮮度というか、香味の維持をきちんと管理することができるか否かは重要です。

 

 

 

堀口珈琲が、標高の高い産地の豆を多く使用するのは、酸とコクが明確で、生豆の鮮度や香味が維持可能な豆が多く、かつそれらは深い焙煎でも香味を表現できるからです。
勿論、ここまで生豆の鮮度を維持できない豆でも優れた豆は多くあります。
そのような生豆の場合は、日本入港後早めに使用することが必要となります。
その見極めができるのがロースターとしての力量という訳です。

 

 

 

その為、堀口珈琲ではそのリスクヘッジのためにできるだけリーファーコンテナや真空での輸送をし、定温倉庫に保管します。

 

 

 

収穫されパーティメントでレスティングされている状態は、まだ乾燥のストレストいうか?香味は若干青臭く、渋みを伴います。
青草(グリーン)と言って、よくない香味としてとらえるます。
2か月程度のレスティングが終了し、日本入着くらいになれば酵素変化によりこの青臭さは亡くなり、次第に落ち着いた香味となります。
レスティング中のエアーサンプルのカッピングの場合は注意が必要となります。

 

 

 

その後、生豆により異なりますが、多くの場合1年以内に酸が減少していきます。
この酸の変化を感知できるようになり、枯れた草の香味を感じる状態はパーストクロップの香味といえます。酸味の減少、枯れた草の香味、アフターテーストの濁り感などです。
最近コーヒーマーケット全般で目立ちますね。
更に1~2年以上たてば酸はなくなり、干し草(藁.ストロー)のような香味が強くなり、最終的には木(ウッド)と呼ばれることもあり、一般的な商取引には向かなくなります。

 

 

 

テースティングの観点から、ここで注意すべきはいくつかあります。
コロンビア北部や、PNGのティピカに見られるようにフレッシュなよい青草の香味もありますので、レスティング中の青草とは混同しない方が良いでしょう。
また焙煎が浅く、十分な熱が与えられず、焙煎による糖の発達が不十分の場合青草、生豆臭のような香味を感じますが、これは当然よくない香味として判断します。
最近のコーヒーマーケットで目立ちますね。
また木(ウッド)もヒノキや杉のよい香味のものもありますので、汚濁のウッドと産地の個性のウッドとは異なります。優れた在来種のマンデリンは、フレッシュなときは青い芝の香味もあり、経時変化とともに素晴らしい木の香りも生まれます。