パパ日記

アンティグア、タラス、ボケテ

グァテマラのアンティグア地方は、中米を代表する生産地です。
中米のコーヒーの香味の基本はアンティグアにあるといっても過言ではないでしょう。
3つの火山に囲まれたこの地は標高も高く、他のグァテマラの生産地に比べ酸とコクのあるコーヒーができます。
この地のブルボンは華やかな柑橘果実の酸が特徴でコクとのバランスがよく、中米の優れた香味の見本ともなります。
また歴史のある生産地であり、毎年生豆の品質が安定しているのも特徴です。世界的にみても極めて優れた生産地であるといえるでしょう。

2005年位まではスターバックスの買い付け独壇場でしたが、最近は購入量も減少し、購入勢力図は大きく変化しています。
堀口珈琲では、アンティグアの多くの農園の中でも品質、香味の突出したコーヒーを生み出す「サンタカタリーナ」と長く付き合っています。



コスタリカのタラスも優れた産地ですが、カツーラが植えられ、一般的にはグァテマラのブルボンに比べ酸の華やかさにやや欠けます。
イカフェ(コスタリカのコーヒー協会)は、収穫量のよいカツーラを推奨していますが、タラスにブルボンを植えたらどれほどいいコーヒーができるだろうと想像しただけでわくわくしますが、そうはならないのは致し方ないところです。

そこでブルボンに匹敵する香味を生み出している生産者を探すことになります。
最近はマイクロミル(小生産)も増え、個性的なコーヒーにも遭遇するようになりましたが、毎年の品質安定性が気になるところです。
また日本では、コーヒー関係者のコスタリカコーヒーに対する関心度が低く、日本マーケットでは販売が難しい産地です。
軍隊もなく、環境立国を目指すコスタリカの優れたコーヒーをぜひ見直していただきたいと思います。

タラスには、アンティグアに匹敵する優れた農園のコーヒーも存在し、堀口珈琲が使用してきた「ラ・ピラ」や新たに購入した「エル・セドラール」などは明るい酸とコクを持ちコスタリカの香味を代表します。
しっかりした酸とコクのバランス、甘いアフターテーストなどが特徴となります。

 

パナマのボケテも優れたテロワールの産地として突出しています。
遅れてきた中米とでもいうのでしょうか。
この地のコーヒーは、生産量も少なく、これまで日本にはほとんど入荷していませんでした。
エスメラルダ農園のゲイシャのデビュー以降に認知された産地となります。

数年前からさまざまな農園の豆を使用し、「コトワ」に落ち着きました。トラディショナル、ドン-k、ダンカンの3種を購入しています。
明るい酸と複雑なコクが特徴で、パナマを代表する香味です。

なかでも「ダンカン」の複雑なコクはベルベットのような舌触りを伴い、極めて特殊な香味で簡単に体験できないコーヒーといえます。
パナマ最高峰レベルのコーヒーだと思います。

 

グァテマラ、コスタリカ、パナマのコーヒーは、さらにさまざまな農園の豆を購入していますので順次販売します。
今後販売するグァテマラの「サンホセオカニャ」、コスタリカの「クレストネス」、パナマの「ベルリナ特別仕様」、ニカラグア「マラゴジペ」などは突出した香味です。

これだけのグレードの中米コーヒーを揃えられる会社は世界的に見ても多くはないと自負しています。これらは、スペシャルティコーヒーの中でも突出したもので、生豆の価格、品質において一般的なスペシャルティコーヒーとは一線を画します。

きちんとした香味を覚えれば、自分の味覚でコーヒーを比較することができるようになりますのでお試しいただければ幸いです。