パパ日記

コーヒーの酸味-2

昨日はテニスの疲れをほぐすためにマッサージを。
某所で飲んだブレンドは、30年前の日本の喫茶店のコーヒーと同じで抽出過多のようなすっぱい酸でしたが、エチオピアは華やかな酸の風味がありました。

 

 

 

コーヒーの酸は焙煎が深くなるにつれ減少しますが、酸はコーヒー豆そのものが持っている基本の味の一つです。
また酸の強弱やその質により生産各国の香味の違いを理解できます。
例えば、官能的に見れば中米やコロンビアの酸は柑橘系の果実の酸に近いものがあり、東アフリカのケニアやエチオピアの酸にはより華やかな果実感を強く感じることができます。

昔から今でもそうですが「酸っぱい」と嫌われる酸は、劣化したコーヒーや、焙煎が浅いにもかかわらず過度に抽出したコーヒーなどに見られますので、本来の酸とは区別してください。

 

 

現在、最もインパクトのある酸は、ケニア産のコーヒーに見られますが、現在のような果実感の強いケニアコーヒーが世界的に流通するのは2000年以降になります。
それまでのケニアは、酸が強すぎ日本では敬遠されていましたし、世界的にも優れたコーヒーとの認識は少なかったと思います。
エチオピアのウオッシュトのG-2イルガチェフェなどもその広がりは2000年以降となります。
当時の最高峰はG-2で、G-1は2005年前後以降になって登場してきています。

 

 

このケニアやエチオピアをどのように焙煎するかは、ロースターの考え方次第ですが、ミディアムであれば当然酸を強く感じます。
コーヒーの香味を酸という側面からのみ見ればそのような、ローストでもよいのですが、コーヒーの香味の多様性という観点から見れば、酸以外にもコクや舌に残る余韻やさまざまな要因があります。
したがって、そのコーヒーの香味の表現は多様となり、どのような焙煎を選択するかでその店や会社の姿勢は明確となります。

 

 

堀口珈琲では、香味の多様性を表現しようとしますので、ハイローストからフレンチまで様々な焙煎にトライしますし、香味のバランスにも注意を払います。

 

 

米国のサードウエーブなどの影響もあり、最近は、コーヒーの果実の甘い酸を重要と考える人も一部に増えてます。
それだけ個性的な香味のコーヒーが流通し初めているのは事実だと思います。
しかし、すべての優れたコーヒーが果実の香味ではなく、果実以外の多様な香味の複合性がコーヒーの香味を生み出しています。
例えば、ティピカには華やかな酸は少ない反面クリーンでシルキーな触感が楽しめます。
パカマラも華やかさとは異なる澄んだ味わいの系列のものも多くあります。
ブラジルのように酸の少ない反面ショコラのような濃厚さを持つコーヒーもあります。

そのようなコーヒーの多様な香味の世界はプロでも簡単には理解できません。
しかし、何年か学習し、様々な生豆のポテンシャルを知ることにより、香味の多様性を理解したうえで、焙煎による表現の多様性を考えるようになるでしょう。
また本来香味の多様性が問われることが当たり前であろうと考えます。
続く