パパ日記

コーヒーの酸味-6 エチオピア

今朝のコーヒー
エチオピア コチュレ W シティ

柑橘以外の華やかな酸は東アフリカの優れたコーヒーに見られます。
といっても主にはケニア、エチオピアに限られ、稀にルワンダなどにも感じます。

 

 

主にはベリー系のなど多様な香味を感じさせるものがエチオピアのイルガチェフェです。
このコーヒーは15年程前から世界中に少しづつ広まり始めています。
エチオピアは、ナチュラルのG-4.G-5など欠点豆の混入が多いものが主流ですが、ウオッシュトの精製をするようになり15年くらい前あたりからG-2グレードが市場に登場します。
主にはシダモのG-2でしたが、イルガチェフェのG-2も誕生します。

 

 

 

G-2はチェリーを選別しある程度欠点豆を除去しますので、そこにエチオピアの土壌が生み出す華やかな香味が現れます。とりわけ2000年前後にイルガチェフェのG-2は世界に衝撃を与えました。
堀口珈琲や米国の一部の会社等が着目し世界的に広がり始めたコーヒーです。
現在は、さらに厳密にチェリーがハンドピックされたG-1グレードが生まれています。

 

 

 

それまでのエチオピアコーヒーは、モカとも言われ(本来はイエメンですが、)ナチュラルが流通していました。勿論現在でもエチオピアの輸入の大部分はG-4、G-5です。
独特な風味で日本では広く浸透ししているコーヒーですが、欠点豆の混入も多く、発酵や濁りのなどの香味も同時に混ざることの多いコーヒーです。
日本は発酵食品文化の国ですので、モカは広く受け入れられたのかもしれません。
しかし、スペシャルティコーヒーといえるのは、多くの場合欠点豆の少ないG-2以上となります。
更に堀口珈琲で販売するようなナチュラルのG-1が誕生するのは、ごく最近のことです。
このあたりはわかりにくいので、エチオピア、イエメンのモカについては後日お話しします。

 

 

 

エチオピアの中でも、イルガチェフェの土壌や気象条件が生み出す香味は独特で、シダモやリムより個性的です。それゆえ価格も高く、よいものを確保するには多くの労力を伴います。
ここでは堀口珈琲のイルガチェフェ獲得の歴史的経過は省きますが、ケニア同様、このコーヒーに対する執着心は、日本で最も強いと自負しています。

 

 

さて、イルガチェフェの香味ですが、ケニア同様様々です。
日本ではエチオピアは昔からミディアムが基本で(米国のサードウエーブはさらに浅いところもあります)、華やかな酸を売りにします。
しかし、香味の多様性のある優れた豆ですので今少しローストで多様性で豆のポテンシャルを追求した方が良いとも考えます。

 

 
優れたイルガチェフェの香味の基本は、現時点のテースティング会では以下に区分しています。
これらが単一の場合複合している場合など香味は複雑です。
1.レモンティ系
2.ベリー系
3.メロン、マスカット、ピーチ系
4.その他
などの香味が感じられ、さらには舌に残る甘い余韻に特徴がみられます。
その持続性は、多くのコーヒーの中でも長く、ロングアフターテーストの代表的なコーヒーといえるでしょう。

 

 

このコチュレのWは、フローラルで、ブルーベリーの味わいを感じます。
華やかで果実感のある、甘いコーヒーですので、
「果実のようなやさしい酸と甘い余韻が舌に残る素晴らしいコーヒー」という位の表現で、世界中のどのようなコーヒー関係者の前でも十分通用するでしょう。
ベリー系は以下に区分しますが、これらは何時もいうように生で食べる機会が少なく、日本人には難しい香味です。
ブルーベリー(ミルティーユ)
フランボアーズ(ラズベリー)
ブラックベリー(ミュール)
レッドカラント(グロゼイユ)
ブラックカラント(カシス)
蛇足ながら、優れたナチュラルの精製のG-1にはストロベリー系の香味も混ざることがあります。

 

販売中ですので飲んでみてください。