パパ日記

SDGs(sustainable development goals)

SCAJサスティナビリティ委員会主催セミナー「持続可能な開発目標SDGs」の講演会に出席。
東京大学の沖 大幹教授が講演されました。
私も勉強不足ですので、全体を把握するには国連広報室2030アジェンダもしくは外務省の解説等を参照ください。

 

 

 

持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」です。
包摂的で、全てに対してこうありたいという理想で、2030年までの国際目標ということです。

 

 

 

持続可能な世界を実現するために相互に関連した17のゴール・169のターゲットから構成され,地球の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。
人類の幸福として よいくらし(Well-being)をゴールとした理想目標としています。

 

 

 

そのため、「従来のCSR(企業の社会的責任)や寄付・ボランティアという形ではなく、ビジネス本来の本流を通してこれらの理想を実現しようとする活動で、そこにこれまでにない新しさがある。」
その意味で、「企業の存続の過程の中でSDGsに関与しているか?が問われるような新しい時代に向っていくであろう」とのことでした。

 

 

 

コーヒーにおいては、気象変動、労働力の減少、さび病、農園の宅地化などによる生産阻害要因が顕在化しています。またアジア圏を中心とした消費の拡大は、近々に生産量を超えると危惧されています。
そのような中、ロブスタ種の生産増などによる品質問題も顕在化しています。
消費国においては、スペシャルティコーヒーの流通がみられるものの、日本における流通は8.1%(SCAJ2016調査/個人的には今少し少ないと思いますが明確な根拠は提示できません)にすぎず、価格競争によるディスカウント商品の拡大も見られ、日本においても100円コーヒーの流通が拡大しています。
それらの流通価格は市場原理に基づくものですがそれらの拡大のみでは、生産コストの上昇の中で生産そのものの不安定要因にもなり、生産意欲の減少、品質の劣化につながる危険性を排除できません。
品質の劣化は、コーヒー離れを誘因する可能性が高く、市場における高品質と汎用品のバランスは重要と考えます

 

 

 

SDGsにおいても、開発による経済発展か?環境保全が重要か?は究極の問題となりますが、最終的にはバランスの問題であり、中庸さがその均衡を保つと考えられているようです。

 

 

 

コーヒーにおける生産と消費の循環システムにもバランスが必要であるというのが私の考え方で、量産による汎用コーヒーと品質に裏付けられた高品質コーヒーは、コーヒー市場の中でバランスよい共存が問われるべきと考えます。
そのためには、
1.高品質コーヒーの生産と消費の安定性
2.高品質コーヒーと汎用品コーヒーとの生産及び市場バランス
3.量産種であるアラビカ種とロブスタ種の生産比率
4.将来におけるハイブリット品種の生産比率
など将来を見通した際には、さまざまな問題が予見されます。

 

 

 

また将来のコーヒー産業の持続性について、消費国は健全な知見を持って対応すべきと考えます。
「2016年.2017年日本の国内消費が増加した」と単純に喜ぶだけでは、コーヒー産業の「生産と消費」の維持ができないということを理解すべきでしょう。