パパ日記

焙煎豆の色 Agtronと色差計

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50サンプルのうち20サンプルの焙煎が終了しました。
ゲイシャ種のWashedとNaturalです。
土日の中級編はこの20種でやりますが、土曜と日曜では各10種づつとなります。
この20種については後日味覚センサーにかけます。

サンプルローストの焙煎豆の色は、SCA(Specially Coffee Association)では、カッピング規約で
Agtron(Agtron Gourmet Color Scale)などの数値が適用されます。
Agtronは、米国アグトロン社から発売されている食品用分光光度計で、近赤外線で焙煎豆の色を判定します。

 

明るい色から暗い色まで数値判定でき、焙煎プロセスを容易にします。
SCAのサンプルローストでは、±1.0でグルメ63、コマーシャル48とされています。48の方が焙煎度は深くなります。

 

日本の場合はAgrtronではなく色差計などを使用します。
高額なものですので、所有は焙煎会社でも大手、中堅以上に限られます。

色差計は、物質の明度を表すL値も指標となり、黒を0、白を100として明度を数値化したものです。
浅めですと23、気持ち深めですと22程度が一般的と思うのですが、メーカーによる多少の誤差はあります。

 

しかし、コーヒーの焙煎は単純ではありません。
アグトロン値やL値が同じでも、風味の変動要素は多く、同じ風味になるとは限りません。

1.   焙煎時間=焙煎時間で風味は変化しますので、SCAでは8~12分程度としています。
2.焙煎方法=加熱のプロセスにより風味は変化しますのでプロファイルが重要です。
3.焙煎機=焙煎機の容量(焙煎量の程度)や方式(熱風、半熱風、直火)により変わる可能性があります。
4.焙煎者=安定した焙煎をするためのスキルがあるのかも重要です。焙煎者にカッピングスキルがあるかどうかも重要です。
5.生豆=さらに厄介なのは、生豆のショ糖量やアミノ酸量で色が変わります。
6.カッピング時期=SCAでは焙煎後8時間以降24時間以内としています。
しかし、SPの場合、時間の制約については、焙煎機や 生豆の特性により良し悪しの判断はできないことも多くあり、
柔軟にとらえた方がよいでしょう。


アクトロン62,色差計23程度

このような観点から考えれば、焙煎の信頼性には、焙煎者の総合的なスキルが重要といえます。私の中級編では、実施日の2~5日程度前に焙煎します。その方が、風味をとらえやすいと考えています。

現在私は、50gしか焙煎できないパナソニックの焙煎機を使用しています。
全自動ですので、だれでも安定した焙煎は可能ですが、プロファイル設定が重要になります。
安定している反面、微細なプロファイルの違いにより風味が大きく変動してしまいますので、プロファイル設定が難しい訳です、適切な焙煎による風味かを判定するにはカッピングスキルが極めて重要となります。

この初期設定に、100回程度の予備焙煎を繰り返し、サンプルロースト用のプロファイルを作りました。
しかし、もっとよいプロファイルがあるのではないかと思うのですが、いじると過去の焙煎と変わってしまいますので
微調整はしていません。