パパ日記

丸かじりシリーズと経済成長

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一気に書きますので、年代、数字にはあいまいな点が多くあること、また、思いつくまま書きますので正確でないところがあるかもしれません。
文章は長くなってしまうと思われますが、どこかで止めますので、個人的所感と受け流してください。

 

私の愛読書の一つである東海林さだおの「丸かじりシリーズのホットドックの丸かじり」をトイレで読んでいたら、以下の文章に遭遇しました。「冷やし中華株式会社にも不況の波は押し寄せている。人員削減、リストラこれが眼下の大命題だ。上層部は連日会議に明け暮れている。」

そして、冷やし中華の具である「エビ、わかめ、キュウリ、チャーシュー、カニ、ハム、紅ショウガ、からし、シイタケなどなど」について何を残すべきか論じています。

こういう細かなどうでもいいようなことについグダグダ書くのが東海林さんの真骨頂で、これは日本3大エッセイストの一人として個人的には称賛しています。

ジャ、後は誰と問われれば?かなりの異論はあると思いますが、村上春樹と林真理子と認知しています。
この本は、2004年に出版されたものです。

 

というわけで、振り返ってみるとバブル崩壊後の2004年は不況でした。
この頃は、喫茶店の衰退の中で、それに代わる業態として2000年前後から食に比重を置くカフェブームの真っただ中でした。
また、コーヒー専門店の受け皿として自家焙煎店の出店も多く見られた時期です。
この辺りについては、当時のパパ日記で、コーヒー市場、社会背景の観点からからかなり書いていますので見てください。また、この時期は、スペシャルティコーヒーの革命期で、コーヒー産業が劇的に転換しつつあった時期です。

 

今思えば、不況で金融緩和し、ワンパターンの公共事業への財政投資をしていたように思います。
当時は、コーヒーのことしか考えていませんでしたので、経済については疎かったと思います。

 

さて、バブル崩壊の1991年あたりから、もはや30年以上日本は景気低迷下、低成長下にあり、大卒の初任給は20万円で変化がありません。
デフレ下で未来を見通す経済政策はなく、財政出動は政治的にメリットある単純な公共事業の景気回復策が唯一の手立てでした。物価が上がりませんから賃金が上がらなくとも、何とか生活が維持できてしまった時代が長く継続してきました。

しかし、その間、日本人が知らない間に、先進国や発展途上国は経済成長し、日本のみが取り残された感があります。GDPは世界3位ですが、一人当たりのGDPは26位前後でしかありません。
もちろん収益を上げた会社も多くありますが、人口が減少しているのですから、GDPの5~6割程度を占める消費は拡大せず、みんなに恩恵がある時代は終わっています。

すでに、すべての人が豊かさを実感できる時代ではなくなっているわけで、限られたパイの中で配分の格差が顕在化し、そのほころびがあまりに大きくなり、「配分」というキーワードで語られ始めています。

日本のアルバイトの最低賃金は1000円前後ですが、米国のマクドナルドは1.800円前後といわれますし、
私がデンマークに行った10年以上前は、スーパーのレジの賃金が時給で2000円以上でした。
すでに、海外留学生の賃金は韓国の方が高い傾向もあります。

海外から日本に来れば、物価が安いのですから、買い物天国になります。
ホテルの値段も安く、うどんチェーンや牛丼チェーンの価格は東南アジアの価格より安いのではないかと思われます。
これほど物価が上がらず、安いのですから、海外からの旅行者はうなぎのぼりで、3000万人を超え、インバウンドで経済を何とか維持してきたのが日本です。
数年前に、どうしてもロンドンに行きたいことがあったのですが、ホテル代が高すぎて断念しました。

30年の間には、一時期、円が高くなった時期もありますが、ここ10年以上は輸出企業に恩恵のある円安誘導の政策がとられました。したがって、日本の貿易収支の多くを占める輸入価格は上がらざるを得ず、生豆の価格の上昇もそれが一因といえます。
輸出産業で経済の安定化を測ればよい時代はすでに限界であったと思います。

 

したがって、ドバイ原油価格(1kリットル)1~2か月前には40000円代だったモノが、コロナ下の経済活動が始まり57000円と暴騰しています。

したがって、原油の輸入価格が上がれば、生産コストは上がりますので、さまざまな分野での値上げラッシュになっています。(なお、堀口珈琲のブレンドの価格改定は、原油価格暴騰前で、また、ブレンドの風味や品質向上のための長いプロセスを経て、よりおいしいコーヒーを作ったことによるものですので誤解なきようお願いします。)

 

私が、はじめて韓国ソウルに「コーヒーセミナーに行った時」は、円高で、対ドル90円前後代でしたので、免税店でモンブランのスチールのボールペンを日本円で6~7万円で買い円高の恩恵を受けました。
現在の為替では1本15万円以上します。
したがって、初期の出張から数年後は、円安となり免税店でメリットのある買い物はできなくなりました。
たぶん、コロナ禍の前に海外から日本に来た人達の感覚はこのようなものでしょう。

銀座の「寿司屋」が4~5万円以上しても、「アランヂュカス」で5万円かけても、中国の富裕層は高いと感じません。私は高級フレンチでも2万以上は出しませんし、それ以上かかる店には行きません。

私が新婚旅行でニューヨークに行った時の円は250円だったか300円だったか覚えていませんが円に力のない時代でした。航空運賃は30万と高額で、現在の円の航空運賃の感覚からいえばニューヨークに5往復はできると思います。

為替や、経済力は今のような国際的な時代には、とても重要です。
反面、「ガラパゴスでいいじゃない」「経済成長しないのなら、貧しくても皆が幸せならいいじゃない」にも一理ありますが、日本円が安くなりすぎれば、日本の資産価値は低下し、税収は減少し、よりまずしくなり、極端に言えば自給自足の方向に向わざるを得なくなると考えられます。。

 

だらだら書いていますが、何がいいたいか?というと、年々日本は円安で買いたたかれ、資産が目減りし、地盤沈下し、構造的な格差が拡大していくということです。

「分配」という言葉が使われ初めましたが、限定されたパイを分配しても、消費の総額は変わりませんので経済は成長しません。人口が減少する日本は、現状のままでは経済成長することはありませんので、政策の構造的な転換をする必要があることは政治家もわかっているでしょう。
しかし、そのプランはもう20年以上はっきりしません。
民間が頑張っていますが、国の向かう方向性や成長プランは見えてきません。

これまでは、さまざまな複雑な利権構造があり、調整機関が長すぎ、その間に取り残されてきたと思います。このあたりの問題は、対応ができていない日本のEV自動車のこと、エネルギー問題などを考えれば、すぐに理解できるでしょう。

コーヒーは、気候変動により生産減少するといわれる2050年代問題を抱え、
一つの対応策としてWCRのF1種の方向性がありますが、これですべて解決できるわけではなく、
気候変動に関するCOP26は極めて重要な国際会議といえるでしょう。

岸田さんになり、この政権下で、明確に日本の進む道を示していただき、何らかの成果をもたらしていただければと思いますが・・・・・・・・・・?     衆院選の雑感です。

 

口頭なら楽なんですが、書くとなるとタイピングが追い付かない。
疲れた。