'BLEND'OGRAPHY

SUMMER 2023 Ver.1

SUMMER 2023 Ver.1

Released:2023.6.28 – 2023.7.22
 
Categoly:SEASONALS “ SUMMER ”
 
Concept:残響
 
Artists:Haruka Shin

 

夏の想い出の傍らで、
良い余韻を残すブレンド

 

CONCEPT
ブレンドコンセプト   


 

気温も街ゆく人の雰囲気も夏めいて参りました。
今回のブレンドコンセプトは【 残響 】。充実感のある香味と甘い余韻を残すブレンドです。

抽出している間にも立ち昇ってくるキャラメルのような甘い香り。クリーンな口当たりと滑らかな質感。
パッションフルーツ、プルーン、ライチなどを感じさせる複雑な果実の風味。飲み下した後にはカカオやヘーゼルナッツ、バニラのような香りが鼻から抜けていき、ほのかな薫香とともにうっとりするような甘い余韻が長く続きます。

快晴の日にアイスコーヒーにして、ごくごく喉を鳴らしながら清涼感を楽しむのもよし。ホットコーヒーにして雨模様を部屋の窓から眺めながら、変わりゆく風味をゆっくり楽しむのもよし。自由にお楽しみください。
夏の想い出の傍らで、良い余韻が残せますように。

 

 

WORK
ブレンドができるまで   


 

今回は“新たな素材を使用して、求める味わいを素直に組み立てていくこと”を内なるテーマに創作を始めました。

ホンジュラスの「ラス・ペニータス」は今年初めて扱うコーヒーです。
新しく触れる素材は一旦毎日飲むようにして、緩やかにそのキャラクターを捉えつつ、どのような組み合わせができるか想像を膨らませていきました。

「ラス・ペニータス」を軸にブレンドを考え始め、最初に目を付けたのがケニア「カイナムイファクトリー」。
ボディと果実感が特徴的な「カイナムイファクトリー」の風味は「ラス・ペニータス」の滑らかさや果実感、カカオニブのようなフレーバーと同調し、引き立て合うと感じたので組み込みました。
そして、インドネシア「マンデリン“オナンガンジャン”」を合わせ、甘く豊かなコクを創出しました。
……ここまででも何となくまとまっていましたが、ちょっと退屈。もう少し遊びたいなと思ってしまうのがブレンダーの性でしょうか。
最後に投入したのが、ブラジル「マカウバ・デ・シーマ農園」のナチュラル精製です。 自らの特徴も控えめに主張しつつ味わいに奥行をもたらしています。 「マカウバ・デ・シーマ農園」を配合したことで、このブレンドの密度が少しほぐされて、うまく調和されました。
4種類の素材の顔ぶれをみると十分すぎるほどさまざまな味わいがしてきそうですが、面白いほどにまとまっており、アイスでもホットでも喉元を通り過ぎた後までコーヒーらしい甘い香りが心地よく残ります。

定番ブレンドの#6にも#7にも#8にも似ていない、今だけの深煎りのブレンドです。

 

MATERIALS
素材のご紹介   


 

1、ケニア「カイナムイ ファクトリー」フレンチロースト

柑橘果実、黒い果実、白い果実を感じさせる豊かな果実感。果実を三温糖で煮詰めたジャムのような、こってりとした甘さ。クローブのようなスパイシーなニュアンス。ボディも強く滑らか。力強く豊かなコク。このブレンドの風味の骨格を担っています。

 

2、ホンジュラス「ラス・ペニータス」フレンチロースト

カカオニブやほのかに南国果実のような華やかなフレーバー。ビターチョコレートのような滑らかな質感が心地よいコーヒーです。 カイナムイの風味に調和し、滑らかさを際立たせ、味わいにボリュームを出す効果を狙っています。

 

3、ブラジル「マカウバ・デ・シーマ農園 ナチュラル」フレンチロースト

クリーンな口当たりにヘーゼルナッツを思わせる柔らかな甘み。ドライフルーツのような華やかさも感じさせる上品なブラジルコーヒーです。 他の3種類と合わせたことで“薫香”のような香りが引き立ち、ブレンドの“奥行き”を出す重要な役割を果たしています。

 

4、インドネシア「マンデリン “オナンガンジャン”」フレンチロースト

トロピカルフルーツのニュアンスをほのかに感じさせ、冷めてくるとバニラやハーブのような風味を感じさせます。マンデリンだからこそ味わえる質感の厚み、風味の複雑さ、甘いコク。配合比率はたった1割ですが、唯一無二の存在感を醸し出しています。

 

 

ARTWORK
アートワーク   


 

PRIMAVERA2023

 

ブレンドに使っている素材はどれも個性的ですが、バランス良くまとまっています。香ばしさや甘さを強く感じ、多くの方が思い描く“ THEアイスコーヒー ” といった印象です。なので、シンプルにグラスと、グラスを持つ手を撮影しビジュアルに採用しました。Ver.1の販売期間は梅雨と重なります。日照時間の少なさや湿度から憂鬱な時期ではあるのですが、その憂鬱さすらも愛せるような、共存するような(でもたまにある晴れの日にも合うような)色味を意識しています。

 

 

Designed by Kyoko Shibuya