パパ日記

グァテマラ

フランスワインの代表的生産地は、ブルゴーニュ、ボルドー、ロワールなど多岐に渡ります。
中でもブルゴーニュはピノノワールという単一の品種が栽培され、地域、村、畑、作り手により香味は大きく変わります。

地域は大きく2つに区分され、コートドニュイは赤ワイン中心で、コートドボーヌは白ワインが多く作られています。コートドニュイには、多くの村があり、その村の中の畑は区画(クリュ)に分けられ、特級(グランクリュ)1級(プルミエクリュ)、一般の畑と格付けされています。長い歴史の中でその土壌、地層、気象条件などの質がよい区画が、よいワインを育てると認識されています。
これをブルゴーニュではテロワール(微気候)といいます。

たとえば、表示は
「ブルゴーニュ」であれば広域で栽培されたワインを意味します。
「ボーヌ・ロマネ」であればブルゴーニュのコートドニュイのボーヌ村ワインであることを意味します。
「ボーヌ・ロマネ・レシューム」であれば1級の畑であることを意味します。
「ロマネ・コンティ」であれば、特級の畑で最高級ワインとなり、1本70万円します。
ワインの最高峰でしょうか?残念ですがまだ飲んだことはありません。

さて、コーヒーに目を向けましょう。
コーヒーは、これまでフランスのワインのような区画の概念がありませんでした。
しかし、2000年中盤からその国の地域、農園が区分されたコーヒーが多く流通するようになりました。まだまだ歴史は浅いですが、農園単位のコーヒーの香味がわかるようになりつつあります。
堀口珈琲は早くから、このような単一農園の生豆を輸入することに執着し、多くの農園とパートナーシップを組んで、毎年輸入してきました。

グァテマラを例にとると
グァテマラには8つの生産地域があります。
その中でも優れたコーヒーが産出されると認知されているのがアンティグア地方です。
このアンティグアは、偽物が出回ったためアンティグア生産者組合が作られ正規品としてのマークを作成し麻袋に入れています。
アンティグアの中には30くらいの農園と小農家があり、その中の一つが当社が取り引しているサンタカタリーナ農園です。この農園は標高1600から2000mに位置し、アンティグアの多くの農園の中でも優れたコーヒーを生み出す屈指の農園です。

この農園の豆は、2000年代の初めは米国のスターバックスとピーツコーヒーが使用していました。
この時期当社はカルモナ農園(プルカル)を使用していましたが、事情により新しい農園を探していました。2000年頃からアンティグアの農園のサンプルをカッピングしていましたのでサンタカタリーナが優れた香味であることは認識していましたので、この農園が真っ先に頭に浮かびました。

2004年の4月と11月に2度農園を訪問し、03-04クロップをなんとか50袋(69k換算)売ってもらいました。農園主のペドロさんは、コーヒー栽培に長けた優れた理論家でもありました。
翌年04-05は250袋購入し、その後500袋、700袋、800袋と購入量を増やし、現在当社がほぼ全量を購入しています。これをLCFのメンバーとともに使用しています。

このサンタカタリーナ農園は、GPSで区画が管理されています。
この区画の中で標高が1900mの地点にある区画で栽培された豆が「サンタカタリーナ・No5」です。
ここが一番いいコーヒーができるのではないかとの判断で実験的に2年前から、収穫、精製を別にしています。
ペドロさんとの付き合いはすでに8年になり、このような特別の仕様のコーヒーを作ってもらったわけです。ワインに比べ、コーヒーはまだまだ香味のチェックの積み重ねが必要と思います。
まずはできることからやってみるというのが当社の考え方です。
やらないことには永遠に「アンティグア最高の香味?」は理解できないでしょう。
当方のわがままを聞いてもらって誕生した特別の豆が「No5」となります。
ボディ、酸ともに優れたコーヒーと評価しています。

今年は多くの優れた豆を購入、一度に販売しきれない状態です。順番に販売していきますので今しばらくお待ちください。

手間がかかっているコーヒーすので、若干価格は高くなりますが特別な思い入れのコーヒーです。
ご理解いただき、ご賞味いただければ幸いです。