パパ日記

スーパーテースター super taster

昔は、舌の先で甘味、両サイドで塩味、酸味、奥で苦みを感じるという学説が主流でしたが、最近は味の数や遺伝や環境など様々な要因が複合的に絡み単純ではないといわれるようになっています。

 

 

ある研究結果では 味を感じるタイプを味の分析でノンテースター(25%)、ミディアムテースター(50%)、スーパーテースター(25%)に区分しています。
「味覚は甘・塩・酸・苦・旨という5つの基本味(きほんみ)で構成されていますが、スーパーテイスターは、刺激の強い味に敏感で、特に甘味・苦味を鋭く感じるケースが目立つようです。苦い食べ物を敏感に感じる結果、好き嫌いが多く、偏食になることもあるようです。

 

 

例えばブロッコリーやグレープフルーツなどの苦みのあるもの、タンニンの強い赤ワイン、ブラックチョコレート、ブラックコーヒーなどを好まず、アルコールの刺激も心地よいとは感じない傾向があるとされています。逆にノンテースターはほとんどの食べ物を好むと区分されます。ワインでいうと、スーパーテースターは、ボジョレーヌーボーや新鮮な酸のある軽い白ワインを好み、ノーマルテースターはタンニンのあるボルドーワインを好み、ノンテースターは何でも楽しめると分析する人もいます。
この分析にどのような意味があるのか?はいまひとつ理解できません。

 

しかし、ワイン好きの嗜好は、軽いワインよりもしっかりした酸とコクのあるより複雑な香味のワインを好むように進化すると思います。また、コーヒー好きの嗜好も、ミルクと砂糖入りのコーヒーから、ブラックをより好み、焙煎の浅いコーヒーから焙煎の深い濃厚なコーヒーを好むようになりますので、そこには経験値が積み重ねられて味覚は進化していくと考えます。

 

 

また、日本人の味覚は、春の苦みを敏感に感じ、それを春の素晴らしい味として大切にしてきましたので、苦みの許容感覚は日本人が最も大きいのではないかとも思います。
まさに苦みは大人になると理解できる味で、コーヒーもその一つです。

 

 

気分を変えたい時やストレスから開放されたい時に、コーヒーやチョコレートなどの苦い嗜好品を求めることがあります。人間は苦味を取り入れることで生活に潤いをもたらし味覚の世界を豊かにしてきたと思います。

コーヒーのカッピングフォームには、特に苦みの項目はありません。
コーヒーの苦みのもとの多くは褐色色素で、焙煎が深くなれば増えて苦みを強く感じさせます。
たとえば小糖類、アミノ酸、クロロゲン酸などが反応してさまざまな化学変化が起こり苦みを生み出しています。

苦みをどのように区分するのか?
官能的な評価の基準は明確にはなっていません。
コーヒーの生み出す刺激的な苦みとして「煙っぽい苦み」や「焦げた苦み」は浅いローストの段階で感じればよいとは言えないでしょうが、焙煎が深い場合には微妙に焦げたニュアンスは残りますので、どの程度まではいいと判断するのかは難しいところです。
焙煎過程で過熱が急すぎて豆の先端が焦げた時の苦味などはいいとは言えないでしょう。
また抽出過剰などの重いような苦みもいいとは言えないでしょう。

 

 

柔らかいとか心地よいとか、渋みのないとか、刺激的でないとか、焦げがないとかいう表現をよい苦みとしてみていいと思います。
堀口珈琲の深煎りのコーヒーの特徴はまさにここにあり、そのようなコーヒーを作るためによい生豆を探してきた訳です。