パパ日記

きれいなコーヒー-3

生豆の品質がよくとも、焙煎でその良さを表現できなくてはなりません。
それには焙煎のスキルや焙煎機の機能や性能が問われます。

 

 

焙煎のスキルは、ダンパー(排気)の調整や、火力の調整をしていくことで香味がどのように変わるのかを理解しながら向上させていきます。
生豆投入の温度が変われば、また焙煎時間が変われば香味は変わります。
まずはこのような操作によりコーヒーの香味が変わることを理解することから始めなくてはなりません。
操作一つで、きれいなコーヒーにも濁ったコーヒーの香味にもなります。
さまざまなコーヒーを焙煎し、体験していけば時間はかかるでしょうが向上はします。

 

 

 

しかし、焙煎機の性能や機能は変えることができません。
私の開業時は、排気能力の不足する焙煎機が多く見られましたが、最近は排気が良すぎるもの、排気をコントロールできないものも目にするようになりました。
最近は、操作がより簡易な方向性に向ったり、データ管理に目がいきすぎたりする傾向もあります。
いけない訳ではありませんが、焙煎は職人的要素や感性的世界でもあるということは忘れたくないと考えます。

 

 

したがって、どのようなコーヒーの香味を目指すのかにより焙煎機の選択は生まれます。
デザインも重要ですが、作りたいコーヒーを作れるのか?が最も重要になります。
また、焙煎機の大きさも自店の焙煎量のバランスで選択する必要があります。
少量の焙煎量にも関わらず、将来を見据えてなのか大きな焙煎機を購入するような事例も目立ちます。

 
私は、焙煎は焙煎容量に適した生豆を投入し、毎日行うことが大切と考える立場です。
大きな釜で少量焙煎をしたり、1週間に2~3回しか焙煎しないというような考え方に組する立場ではありません。
自家焙煎店は、あくまで毎日焙煎機を動かし、生豆の品質を理解していくべきと考えます。
確かに、週2回の焙煎は効率的ともいえます。
しかし、小規模自家焙煎店は、コーヒーは生鮮品であるという価値観を放棄すべきではないではないと考えます。

 

きちんとした考え方の基に、焙煎に向かわないと「きれいなコーヒー」は生まれないでしょう。