産地のはなし

常に農家に寄り添う / インタビュー:BAHO代表 ルサティラさん

常に農家に寄り添う / インタビュー:BAHO代表 ルサティラさん

 

皆様こんにちは、こんばんは。
堀口珈琲EC事業部の島崎です。

2022年、堀口珈琲はコーヒー産地ルワンダに注目するということで、「コーヒーとSDGs」という切り口を通じて様々な記事を更新してきました。

まずはルワンダという産地やコーヒーとSDGsについて知ろう!ということで『ルワンダと出会う』というテーマを掲げました。

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■HORIGUCHI COFFEE チャンネル
『【特別企画】Muraho Rwanda!~ルワンダと出会い、深め、繋がる1年~』
 -『コーヒー産地ルワンダってこんな国!』
 -『コーヒーとSDGs 第1回 連載スタート』
 -『コーヒーとSDGs 第2回 SDGsって何?』
 -『コーヒーとSDGs 第3回 コーヒーがSDGsと関わる理由』
 -『コーヒーとSDGs 第4回 貧困の削減とコーヒー』
 -『持続可能なコーヒー生産に向けて 堀口珈琲のニャミラマプロジェクト』
 -『ルワンダ出張記 Part 1 いざ、千の丘の国ルワンダへ』
 -『ルワンダ出張記 Part 2 北部・西部探索』
 -『ルワンダ出張記 Part 3 南部訪問』

■オンラインストア企画
『RWANDAful COFFEE!』

 

普段あまり知る機会のないルワンダについて、私達スタッフも学びながら、時に楽しく、時に真面目に発信してきました。

今回は、『ルワンダを深める』時間です!

より踏み込んだ内容にフォーカスを当てていきたいと思います。

実際、ルワンダコーヒーの魅力とは? 生産国側からみるコーヒーとSDGsとは? 消費国側はどう関わり、行動していくべき?

などなど、堀口珈琲以外の視点も取り入れつつ、生産国側と消費国側の二方向から考えます。

私達なりに、ルワンダコーヒーの今と未来について考えていきましょう!
今までなんとなく選んでいた、そもそも選んでいなかった、そんなルワンダのコーヒーを今後手に取る理由が生まれたら、それは最高の結果です。

 


 

今回の記事では、そんなルワンダコーヒーの魅力やコーヒーとSDGsについて、ずばり生産国の方にインタビューしました。

前回は、「ニャミラマ」や「ガスーラ」などの人気商品を手掛けるルワンダ南部を拠点とする生産者組合「コアカカ」のマネジャーであるサファリさんの記事を公開しましたが、今回はルサティラさんです。

>>『信頼関係を守るために / インタビュー:コアカカ マネジャー サファリさん』

ルサティラさんは、現在ルワンダ全域で積極的に活動を続けているコーヒーカンパニーで、コーヒーの精製や輸出を行う「BAHO」社の代表です。堀口珈琲で扱う「ジャンジャヒル」や「フジ」「マチアゾ」といったコーヒーは彼らが小農家と協働して生産し、届けてくれたコーヒーです。

話し始めたら止まらない気さくで陽気な明るい三児のお父さん。
一方、コーヒーへの愛情もすさまじく、我々が現地を訪問した際には、「今年の収穫は……!」「このあたりの気候は……!」「こっちも見てくれ!」「こっちもだ!」という具合に、話しているだけでエネルギーを吸い取られてしまうような情熱的な方です。
数年前に彼と出会って以降、継続的にサンプルを提供し続けてくれていました。彼のコーヒーを扱うようになって、「日本でトップオブトップのスペシャルティコーヒーを扱う堀口珈琲に認められることは、生産者としての評価も上がり、モチベーションも上がるのでとても嬉しい」と言ってくれました

そんな彼に、インタビューできましたので、ぜひ最後までご覧ください!

笑顔で手を振るルサティラさん。この写真からも人柄が伝わってきます。

 

 

 


 

■Question1

私達が扱うルワンダコーヒーの魅力はずばり何でしょうか。味わい、生産者の姿勢、生産環境、生産体制、将来性、などどんな切り口でも構いません。複数でも構いません。

Answer

BAHOが堀口珈琲に供給するコーヒーは、ルワンダの中でも最も品質の高い、ポテンシャルを秘めた地域で栽培されています。標高2,000メートル以上の北部の地方です。農家は1農家あたり平均200〜250本のコーヒー栽培しており、彼らはBAHOで農業トレーニングを受け、そこで得た技術や習慣に従ってコーヒー栽培を行っています。堀口珈琲に向けて最高の品質のコーヒーを作るために、彼らは農業指導員からサポートを受けているのです。

北部の土地は、年間降雨量1,400mm以上の良質な火山性土壌で栽培され、湿度の高い空気と涼しい気候で育まれます。湿度が高いことは最高のコーヒーを作るためには良いと考えています。
このエリアで私たちの手掛けるのコーヒーは、華やかなフレーバーと果実のような甘み、時にはチョコレートやベリー系、キャラメルなどの甘みを備えています。加えて、丸みを帯びたふくよかな口当たりを楽しめるのはこの地域の独特のものです。

 

 

 

■Question2

私たちが扱うルワンダコーヒーは今後どのように発展していくと思いますか。または、発展させていきたいですか。

Answer

私のビジョンはシンプルです。それは、農家と共に成長することです。3年後にルワンダに来ていただければ、目に見える変化をお見せすることがでるでしょう。ですが、そのためには現状から大きく改善していかなければなりません。口先だけでなく、いい話だけを述べるのでもなく、農家と共に努力していきます。

そうして徐々に歩みを進め、農家の生活に意味のある前向きな変化をもたらしたいと考えています。それが良いコーヒー生産に繋がります。私がすべてを行うことはできませんが、農家にポジティブな変化をもたらす原動力やエネルギーになる必要があることは理解しています。様々な活動を通じて、これを達成したいと考えています。良い苗や品種を提供することや生産量を増やすこと、より多くの収入を得られるようなトレーニングを提供することなどです。

コーヒーに適正な価格を設定し、さらに農家が最高のチェリーを供給できるような仕組みを提供することで、これを実現することができると考えています。

 

 

■Question3

堀口珈琲と今後どのような取り組みを行い、どのような商品を作っていきたいですか。

Answer

堀口珈琲とは、長期的な関係を構築していきたいと考えています。
自分たちのコーヒーを買ってくれているのは堀口珈琲なんだと、農家にとって現場で目に見える存在であってほしいです。
特に堀口珈琲とは、コーヒーの品質向上に関するプロセスで協力していきたいと思います。農地、ウォッシングステーションなど、様々なレベルで協力し合えることはあるでしょう。農家に苗木を提供したり、農法を教育したり、十分な肥料を与えたり、などなど。

そして、願わくはBAHOをルワンダのスペシャルティコーヒーにおけるモデルとして捉え、強固で忠実なパートナーとして歩んでいけたらと思います。

 

 

 

■Question4

現在、一部の国では持続可能な開発目標(SDGs)が掲げられ、様々な分野で取り組みが行われています。このような考え方に対してどう感じ、どう理解していますか。

Answer

ルワンダにおいてもその考え方は大切です。
SDGsのいくつかの目的を達成するためにBAHOやウォッシングステーションのような中小規模の組合や会社を支援することはとても有効だと考えます。というのも、そのような組合や会社は、小規模農家と直に接するからです。私たちは小規模農家の生活を向上・安定させるために、一緒になって生産量を増やし、品質の付加価値を高め、雇用を創出することで、SDGsに大きく貢献をしているのです。
収穫、ウォッシングステーション、ドライミル、物流、通信など、あらゆる工程で雇用を創出しています。

 

 

 

■Question5

堀口珈琲を、そして堀口珈琲との関係を、BAHOではどのように捉えていますでしょうか。

Answer

BAHOは堀口珈琲と一緒に仕事ができることを嬉しく思っています。長期的な関係を築けると大いに期待しています。単なるコーヒーの売り手と買い手の関係ではなく、私たちの関係は、より良いコーヒーを扱うために、信頼し合い、尊敬し合い、支え合い、理解し合い、アイデアを共有し、情報を共有し、共に成長し発展していく関係です。私達には堀口珈琲が必要であり、堀口珈琲にはBAHOが必要、そんな関係です。

私達のコーヒーは、栽培や生産、加工、など各工程すべてにおいて付加価値が与えられています。そんなコーヒーを扱うことで、関わるすべての人々が幸せになれるような、フェアな繋がりであることを期待しています。

 

 

■Question6

消費国に求めることは何ですか。

Answer

品日本の皆様に向けての私のメッセージは、第一に、私たちは皆さんを愛しているということです。
日本は世界でも有数のコーヒー消費国です。皆さんがおいしいコーヒーを好むことも知っています。そのために、トレサビリティが明確で、日本の品質基準を満たすコーヒーを生産できるよう協力していきたいと思っています。

私たちを信頼し、私たちのコーヒーを扱ってくれて、カフェで提供される機会を与えてくれるロースターや、私たちのコーヒーを日本で発信してくれる人々には大きな尊敬と感謝の念を抱いています。本当にありがとうございます。皆さんの働きに感謝します。私たちは小さな会社ですが、私たちからコーヒーを買っていただくことは、私たちだけでなく、加工に携わるすべての人たち、その中でもとりわけ農家の人たちにとって大きな支えとなります。

私が消費国の方々に期待することは、ルワンダやBAHOのコーヒーの良さを知り、より多くの方にたくさん飲んでいただくことです。そして、もちろん改善点や指摘はいただいた上で、私たちの努力を認めてもらえたら幸いです。

そして、主にバリスタの皆さんには、私たちのコーヒーを評価していただき、良心と笑顔をもってお客様に提供していただきたいです。コーヒーについての素敵なお話をしながら。

 

 

 


 

BAHO代表、ルサティラさんからのメッセージでした。

言葉の端々から強い熱意を感じるコメントですね。
実際お会いしてもその印象は変わらず、24時間コーヒーと農家のことを考えているような方です。

彼の言動から特に感じるのは、常に農家視点に立って、彼らを大切に考えているということです。
「BAHOのボスは私ではなく、農業指導員でもなく、農家だ」
彼がよく口にするこの言葉にその気持ちが詰まっていると思います。

農家が良いコーヒーを栽培してくれるからこそBAHOはそのチェリーを集め、商品を作ることができます。BAHOがしっかりと生産を管理し、堀口珈琲を信じて売ってくれるからこそ私達はルワンダの素晴らしいコーヒーを毎年扱うことができます。だからこそ、私達も品質基準を明確にし、適切に焙煎することが求められます。そして、この繋がりがあってはじめて、皆様にルワンダのコーヒーをお届けすることができるのです。

一粒のチェリーから一杯のカップ。すべてが繋がっていることを実感します。

私達ロースターは、この意識を大切にしてコーヒーと向き合っていくべきだと感じます。そして多くの方に発信し伝えていかなければならないと思います。

 

>>『信頼関係を守るために / インタビュー:コアカカ マネジャー サファリさん』

 

 

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